ここ数年は国民の不満を反日教育などで反らせて参りましたが、こういった経済状況の中、日本の技術力は非常に有用で、方針転換をせざるを得ない状況なようです。
そんな中国のジレンマを表現した報道があります。
中国「靖国は敏感な問題」 麻生首相の真榊奉納に
2009年4月21日21時11分 asahi.com
【北京=坂尻顕吾】中国外務省の姜瑜副報道局長は21日の定例会見で、麻生首相が靖国神社に「真榊」を奉納していたことを問われ、「靖国神社は中日関係で非常に政治的に敏感な問題だ。我々は日本側が両国関係の政治的障害に影響することを克服し、友好協力関係を発展させるとの双方の合意を適切に守ることを希望している。適切に慎重に処理すべき問題だ」と語った。
今月末に日中首脳会談が控えているだけに、中国側には過剰な反応を引き起こしたくない意図がうかがえる。ただ、ネット上では真榊奉納が報じられた直後から、首相の行為に対する強い批判の声が上がっている。
新聞の論調については、また別の機会としても、現在は日本に対しても刺激するべきではないという判断のようです。
しかし、国内に目を向けると今年に入ってだけをみても、以下の抗議行動・暴動がおこっております。
1月8日 陝西省西安市 約2000人の元軍人らが待遇改善求め抗議、警官隊と衝突
1月10日 湖南省吉首市 違法に資金を集めた企業をめぐるトラブルで数千人が抗議
1月中旬 山東省済南市 教師、元教師が処遇改善を求め北京まで5000人のデモを計画。一部拘束
1月下旬 雲南省景洪市 労働者数千人が賃金問題で抗議行動
〜2月 広東省広州市 発電所建設に反対する住民が断続的に1000人規模で警官隊と衝突
2月4日 上海市 失業者や土地を失った農民など1000人超が市政府前に集まる
2月11日 上海市 失業者や土地を失った農民など1000人超が市政府前に集まる
2月5日 安徽省淮南市 タクシー業者1000人がストライキ
2月8日 貴州省徳江市 催し物をめぐるトラブルなどで1万人の群集の一部が警官隊と衝突
2月8日 広東省陽江市 住民1000人以上が海浜開発に反対して警官と衝突
2月11日 山東省済南市 元軍人ら約1000人が地元幹部との会見求め抗議行動
2月14日 浙江省桐郷市 労働者がらみの交通事故処理をめぐり数千人と警官隊約1000人が衝突
2月16日 湖北省随州市 元教師ら約 100人が待遇を不満とし示威行動
3月下旬 海南省東方市 当局の腐敗を背景に2つの村の住民数百人が乱闘
3月30日 江西省萍郷市 城管の暴力で約1万人が抗議
4月 連日 北京市 北京大学教授の「直訴者は精神に問題」との発言で抗議
4月1日 四川省南充市 城管と露天商の衝突で数千人が抗議
4月3日 河北省保定市 香港系企業の従業員数千人が解雇に抗議し北京まで「徒歩旅行」。途中で当局が阻止
4月中旬 重慶市 国営紡績会社で約4000人の労働者が解雇補償めぐりスト。当局と衝突
4月16日 広東省東莞市 台湾系企業で従業員約7000人が手当引き下げでスト
昨年に至っては、年間で10万件を超える運動があったとのことなので、国土が広いとはいえ、かなりの数に上るのですが、ほとんどが当局に対する不満が原因とのことです。
当局の見解としては
【国際情勢分析】中国、暴動の「相乗効果」警戒
2009/04/22 SANKEI EXPRESS
中国で農民工(出稼ぎ労働者)や元軍人、一般市民による暴動や抗議行動が相次いでいる。すぐに数千人規模の抗議行動に拡大するケースも少なくなく、当局は、不満階層、民族独立派、民主化運動勢力などが相乗効果をもたらす事態を最も警戒している。
巨大消費市場というメリットの裏には、政情不安という、最悪の場合、国家転覆という大きなリスクが潜在してるのです。