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死刑宣告者の心構え(その4)−裁判員の場合

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 あなたは、裁判員になったとき、被告人に死刑を言い渡すプレッシャーに耐えられますか。
 今般、裁判員制度が成立しました。これによって、量刑が厳しくなるのか、緩やかになるのか、議論のあるところです。しかし、より本質的な問題は、裁判員が、死刑を言い渡すべきか否かの問題に直面する場合がありうることです。そして、死刑相当の判断に至ったときは、裁判員すなわち市民が、死刑を宣告することになります。
 アイスキュロスの悲劇「オレステイア」では、父を謀殺した母を殺したオレステスが、市民の陪審裁判で裁かれます。判決が言い渡されると、彼を追い詰めていた復讐の女神たちは、慈しみの女神たちにと、その姿を変えます。暴力が暴力を招く事態に終止符を打つには、正当な司法制度が必要であることを分かりやすく教えてくれます。また、そのような裁判でなければならないのです。この物語では、弁護人の巧みな弁論のおかげもあって、オレステスは、無罪になりました。
 現代の裁判では、本当に被告人の犯行であるのか、今、この国で、その犯行が死刑に相当するのかどうか、十分に検討することが期待されています。裁判は、復讐の連鎖を断ち切る「聖なる」企てなのです。
裁判員になって、この問題に直面した人は、有罪、無罪、どのような結論を導き出そうとも、民主制の要となる重要な役割を演じることになります。心からの声援を送ります。

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