私たちは、古い常識に縛られることによって、治癒を遅らせてしまう危険性があることを自覚する必要があります。そんな警告になる論文をもう一つご紹介しましょう。
1995年、Indahl Aによって脊椎関連の権威ある学術誌「SPINE」に発表されたものです。
腰痛のために2ヶ月以上欠勤している患者975名を対象に、教育プログラム群(古い常識を忘れて怖がらずに動くようにという3時間の講習)と、標準的治療群に無作為に割り付け、3年間にわたって追跡調査しました。
安静を支持したりする標準的治療群に比べ、教育的プログラム群の職場復帰率が高かったそうです。(上図参照)
教育的プログラムでは、痛みや症状に対する不安を取り除き積極的に動かすように勧めていて、慢性腰痛に心理的因子が大きく絡むことを明確に示しているのではないでしょうか。
ちなみに、この論文は優秀賞を取った論文です。
世界的な腰痛の常識として、正しい物の持ち上げ方や正しい姿勢など、生体力学に基づく伝統的な情報・アドバイス・指示は、最新の見解として勧められていないようです。
過去の知識に固執しないことが大切ですね。
山中英司
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このコラムの執筆専門家
- 山中 英司
- (カイロプラクター)
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「体は心の鏡」 体の解放は、心の解放からはじまります
臨床を通して痛感することは、体は心の鏡のような存在だということ。様々な症状の裏には、もう一人の自分からのメッセージが隠されています。カラダを診るプロフェッショナルとして、クライアントの心とも真剣に向き合うことを信条にしています。
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