組織の病状に合わせた「回復アプローチ」とは - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

伊藤 健之
ユー・ダブリュ・コンサルティング 代表
経営コンサルタント

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閲覧数順 2016年12月09日更新

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組織の病状に合わせた「回復アプローチ」とは

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社員のやる気がない「真の原因」
「自分の職場が病気にかかっているかな」と思っている貴方。
もちろん、このままやり過ごしていいはずがありません。

こんにちは。グランデコンサルティングの伊藤健之です。

前回のコラムでは、組織が元気をなくしている原因を3つの病状に分けて、その見分け方につ
いて解説しましたが、今回は、組織の病状に合わせた処方箋について書いていきたいと思います。

早速、本題に入ります。
 
*「職場への期待・信頼が欠如し、あきらめ感が蔓延している」組織への処方 =機能不全=
「機能不全」組織では、働く人が「組織で働く意義(公共空間と学習の場)」を失ってしまってお
り、「何をしても結局は変わらない。だったら、このままでよい」とあきらめ感が蔓延しています。
職場を単なる「生活のために給与をもらう場所」「9‐17時に労働を提供する場所」と割りきって
仕事をしている状況です。

**(処方箋)相互理解を促進しましょう
冷め切った従業員の気持ちを温めるには、一にも二にも「人のつながり」を回復させ、組織で
働く意義を取り戻してもらうことが必要です。
「組織で働く意義」を感じているとは?
「他人から認知されている」「誰かの役に立っている実感がある」
「個性・自己を表現できる」「新しい自分を発見できる」
↑こうしたことを、自分の職場に期待している状態のこと

人は「人との関係性」の中でのみ、これら4つの実感を得られる生き物ですから、「人との関係
性」を促進させることが、この重い病から脱却するポイントになります。

「小集団活動」と「ラウンドテーブル」という2つの「場」を活用することにより、現場同士および
現場とマネジメントの相互理解を促すことができます。
主なグランドルールを以下に紹介しますが、文字制限の都合上、詳しい内容は次回のコラム
に譲ります。
 「人がつながる場をつくる」
 「やりたい人だけが参加する」
 「テーマを決めずに、人生観まで含めて自由に話す」
 「トップは現場の声の理解に努める」

「機能不全」組織が元気を取り戻すためには多くの時間を要しますが、やり方さえ間違わなけ
れば必ず回復できるものです。
 
 
*「職場には満足しているが、貢献意欲まで至っていない」組織への処方 =貢献不全=
「職場への期待や信頼」を失ってはいないけど、貢献意欲にまで至っていない組織で、大企業
やお役所などに比較的に多く見受けられる症状です。
「人と関わって仕事をしていこう」という気持ちはさほど強くなく、個人の殻に閉じこもって「こな
し仕事」をしている状況です。

**(処方箋)仲間との協調の「きっかけ」を与えましょう
貢献意欲は薄くても、「この業務、なんとなくおかしいな」「この仕事って、こうしたほうがいいの
に」という違和感を誰しも抱えているものですが、こうした感情を周りの人と共有していない
ケースが多いものです。

したがい、フラストレーションを吐き出し、共有する「場」を設けることにより、
 「似たような気持ちの人がこんなにもいたのか」(安心した)
 「こんな前向きな見方をする人もいるのか」(気づき) 
 「文句ばかり言っていても仕方がない」
 「こうすると、よくなるんじゃないか」
 「自分たちで出来ることも結構あるな」
という前向きな気持ち(貢献意欲)に転化させることに注力しましょう。

ここでも、「小集団活動」と「ラウンドテーブル」が有効に作用することを付け加えます。

『自分たちで仕事を変えていく』
これこそが「仕事の喜び」「働きがい」を高めることにつながり、この成功の味は人を常習者に
させます。そうなれば「貢献不全」状況から脱することができるでしょう。
  
  
*「やる気はあるが、空回りして組織として成果を出せていない」組織への処方 =成果不全=
仕事へのモチベーションは高いわけですから、処方は難しくありません。
ただし、放っておくと「やってもだめだ」と無気力感が漂い、「決められた仕事を粛々とやる」と
いう貢献不全状態に陥ってしまいやすいので、早めの対処が必要です。

**(処方箋)スキル・知識を与え、チームワークで成果を出させましょう
この組織には、成果を出すのに必要なスキルや知識を与え、「3人よれば文殊の知恵」を体現
させることが効果的です。具体的には、
 - 会社からテーマを与えてグループワークの促進(ミニプロジェクト活動)
 - 必要となる考え方、枠組み、問題解決手法、ツールの提供
 - (必要に応じて)スキル向上を目的とした研修への参加
 - (必要に応じて)コンサルティング会社の活用
といった処方箋の合わせ技をお勧めしています。
 
 
* 組織ごとに処方は異なるもの
同じ会社の中でも、○○部署は「貢献不全」、××部署は「成果不全」、△△部署は「健康体」
ということはよくあります。組織長のマネジメント方法によって、組織の症状は異なるものです。
(同様に、部門内でも課やグループによって症状が異なることがあります)

したがい、組織ごとに適切な回復アプローチを選択して活性化することが大切です。
 
 
* 組織の病状と処方箋のミスマッチは悲劇を起こす
**悲劇1
たとえば、「機能不全」組織の生産性を高めるために、従業員にスキルアップ研修に参加させ
たり、TQCやトヨタ生産方式などの方法論を職場に導入したとしても、処方が誤っているため、
「やらされ感」「あきらめ感」をさらに助長させ、組織の生産性をかえって下げてしまうものです。

**悲劇2
同様に、「貢献不全」組織のやる気を高めるべく、「生産性15%アップ」「売上10%増進」とい
ったテーマを与えて現場主導で活動させるケースも見受けますが、もともと貢献意欲が希薄な
人たちに「生産性アップや売上増進」といったキーワードは、ほとんど響きません。

気乗りのしない活動の成果は「推して知るべし」ですが、この結果を上司から批評されようもの
なら、「こうした活動に巻き込まれて散々だ。なるべく関わらないようにしよう」と、ますます貢献
意欲を喪失させることにもつながります。

**悲劇の原因は、ソフトとハードの「さらなる乖離」
ソフト面(人の気持ち)が痛んでいるのに、それを放置したままハード面(戦略・制度・システム)
ばかりを磨いてしまっているマネジメントは、驚くほど多いものです。
こうなると、ハードとソフトの乖離がますます拡大して、立派なハードも機能しなくなります。
「機能不全」「貢献不全」組織では、ソフト面の底上げに注力し、ハードとソフトのマッチングを
第一義に考えたいものです。
このあたりのお話は、また回を改めて書きたいと思います。
 
 
* むすび
次回のコラムでは、「活力みなぎる組織づくり」をご支援する際に必ず用いている「小集団活動」
と「ラウンドテーブル」を組み合わせたCreative Dynamic Group Methodについてお話をして、  
 - どうすれば、「現場同士 および 現場とトップのつながり」を促進させられるのか?
 - 「つながりの促進」が「やる気」にどう変わっていくのか?
 - そこでポイントとなるマネジメントの役割は何なのか?
などの疑問にお答えしていこうと思います。


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