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一生懸命取り組んでいる「組織改革」の効果が出ない理由

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 どんなに好業績の会社であったとしても、経営者は必ず自社への問題意識を何か持っています。

 私は今まで、「自社はすべて万全で問題なし」という社長に出会ったことはありません。ほぼすべての人が、現状より少しでも良くしよう、改善しようと、様々な情報を集め、様々な人に相談し、自分なりに勉強されています。


 私は人事や組織という分野で相談されることがほとんどですが、実際に話を聞いていくと、実はもっと大きな経営課題が隠れていたり、発生している事象の原因が実は違うところにあったりということが、結構多くあります。

 ただ、社長というのは自分で考えて納得した上で、自分の判断で決める人が大半なので、すでに具体的な構想を自分で決めていることも多く、そんな状況をなかなか理解してくれなかったりします。


 以前お話をうかがった、ある中小メーカーの社長も、組織改革に大変熱心な人でした。

 ただ、少し思い込みの強いところがあり、自分がいいと思う人事施策を見つけると、とにかくそれを自社に導入しようとします。それが定着して役立っていれば問題はありませんが、残念ながらその結果は今一つです。

 専門業者や社外の専門家も活用してきたようで、これまでの取り組みを聞く限りでは、導入された制度や施策におかしなものではなく、一般的なセオリーからも外れていません。しいて私個人の感想を言うと、導入したものがちょっとオーバースペックだったり、事前の環境整備が不十分だったり、優先順位が少し違っているように思うところはあります。

 たぶんこれは、社長から「こうしたい」という具体的なオーダーがあり、社長の話をもとに施策を組み立てたからではないかと思われます。多少偏りを含んだ限られた情報のせいで、少し「見立てが違っていた」という印象です。


 私がこの会社で問題だと思ったのは、次々と導入する制度や施策を、継続的に運用する根気が社長をはじめ会社全体に無いことでした。「忙しいから」などの言い訳から始まり、マンネリ感も手伝って、みんなが手を抜いたり後回しにしたりしているうちに、いつの間にかうやむやになって実行されなくなってしまっています。

 この姿勢が解決されなければ、どんな取り組みをしても、何も変革することはできないでしょう。


 組織改革は、例えば他の社長などに意見を求めると、たいていが自社の成功体験の話になります。しかし前提条件が違うので、あくまでも参考意見にしかなりません。

 さらに社外の専門家や業者では、問題の本質にかかわらず、自分たちのサービスを売り込む糸口にしたがる場合があります。当然ですが、あまり効果的でない取り組みになりがちです。


 私も同じく社外専門家なので、もちろん自分の得意分野はありますが、こういうときに特に意識していることがあります。

 一つは、できるだけ幅広い視野で現状に即したものを考えるということと、もう一つは、仮に自分の仕事につながらなくても、時期尚早なものや不要なものは、それをはっきり伝えるということです。結果として関係が途切れてしまうことはありますが、それが先方の会社のためになるなら、専門家としてはそうすべきだと思います。


 組織改革の取り組みは、何をするのが正解だと一概には言えませんが、やはり「見立て」を誤ると、せっかくの取り組みの効果が得られません。

 自社の状況を最も知っているはずの経営者でも、思い込みがありすぎて間違うことがありますし、逆に第三者だから必ず客観的とも限りません。

 課題の本質を見極める「見立て」は、とても大切です。


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