仕事がつらいときはお試し転職活動もおススメ

台風14号、すごい威力でしたね。東京も18日からときどきものすごい雨風になりました。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。また、きのうのエリザベス女王の国葬はとても厳粛で荘厳、イギリスの歴史をひしひしと感じました。

さて、カウンセリングでよく仕事に関するご相談を受けますが、打開策の一つとしてお試し転職活動をお勧めすることがあります。

仕事の三大ストレスは、人間関係、仕事の量、仕事の質です。2つ以上あるとかなりきついので、環境改善が必要です。上司など適切な人に相談したり異動を希望したり、もし不眠やうつ症状があるなら受診して軽減勤務や休職して仕切り直すことも検討しましょう。

ただ、いきなり辞めてしまうのはリスクが大きいので、他の選択肢を試したあとにしましょう。特に、弱っているときは誰でも極端になりやすく、「もうやめる！」とか「こんな自分はやめたほうがいいんだ」などと考えやすいので要注意です。

弱っているときは冷静な判断力を欠いているので、重大な決断は避けるのが大原則。大きな決断はコンディションのいいときにすべきです。買い物もそうですよね。

その点、転職活動はノーリスク。在職中に転職活動をすることに罪悪感をもつ必要はありません。むしろ、市場調査だと思って大いにされたらいいと思います。

転職活動をすると、生の情報を得られ、自分の立ち位置も客観的に見られるようになります。そのなかで、新しい可能性や課題を発見できるかもしれないし、今の環境のよさを再発見するかもしれません。何より、履歴書や職務経歴書を書いてみることは、キャリアの棚卸しになるのでとてもいい経験になります。

転職活動をしたことのない人は、履歴書は新卒のときに書いただけ、職務経歴書は書いたこともないということもあります。大企業にずっと勤めていた人たちが、セカンドキャリアを考えたときに初めて職務経歴書を書くことになり途方に暮れたりしますが、個人的にはたとえ転職する気がなくても、数年ごとに書いてみると気づきや発見がありお勧めです。

そうは言ってもきっかけがないと書くのは難しいでしょうから、職務経歴書を書く目的でいいから一度転職活動をされたらいいと思うのです。

どんなことも辞めようと思えばいつでも辞められます。でも、一度辞めてしまうと、それを取り消したくても難しいです。だから辞めるときは慎重に、他の選択肢を試してみて、納得したうえで辞めましょう。大事なのは衝動（勢い）ではなく納得です。

但し、トップやパートナーがハラスメントをしている場合は、なるべく早く自分の安全を確保したうえで逃げましょう。残念ながら、彼らが変わる可能性はとても低いです。自分を守るためには逃げる一択です。

休職されている方は、体調が回復したら転職活動をしてみて、それから復職するかどうか決めるのもありです。休職制度は権利ですから、有益に使いましょう。社会保険や履歴書上も在籍期間は長いに越したことはないので、辞めると決めて期間満了まで休む人もいます。復職される方も、働くことへの意識が明確になることが多いように思います。

今や転職はあたりまえ、今はする気がなくても転職市場がどんなものかを知っておいて損はありません。何よりときどき自分のキャリアの棚卸しをしておくことは、健康診断みたいなものなので、ぜひお勧めします。