- 野村佳代
- 出版/広告プロデュース〜企画・ライティングからデザイン・印刷まで 株式会社アスラン編集スタジオ 代表取締役
- ライター
文章の書き出しテクニック(2)
すべての文章に通用する「絶対にすごい書き出し」は存在しない
すばらしい文章の書き出しについて、よく例に取り上げられるのが、川端康成の『雪国』です。
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
という書き出しは、小説を読んでいない人でも聞いたことがあるほど、有名なフレーズになっています。
この書き出しのすばらしさについては、あえて述べません。私たちがマネをするにはあまりにも高度すぎますし、私たちが書くのはビジネスで用いる文章であって、小説ではないからです。
そもそも、文章の書き出しについては、「書く文章の種類」によって異なります。
たとえば、名文である「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」にしても、お客様に送るセールスレターで参考になる文章ではないはずです。
ビジネス文書を作成する場合は「結論から書くのが基本」とも言われます。
ビジネス文書の際には、小説のような導入部分も、またセールスレターのようなご挨拶も必要ないのです。もちろん、お礼状やご挨拶状にも必要ありません。
そのため、書き出しのポイントは「書く文章の種類」によって異なるわけです。
すべての文章に通用する「絶対にすごい書き出し」は存在しないと言えます。
次回は、「やってはいけない書き出し」について紹介します。