- 敷浪 一哉
- 有限会社シキナミカズヤ建築研究所
- 建築家
対象:住宅設計・構造
どうも建築とエコというのは結びつかないといつも思っていまして、
これは以前ブログでも何度か言っている話ですが、本当にエコを考えたら建築はやっちゃならんのです。
建築をするということは、環境を壊す エネルギーを使う そのものなのです。
だから、以前「エコ替え」というCMに対して苦言をした んですけど、結構な反響があってびっくりでした。
みんな感じてたんですね。あの気持ち悪さに。
「省エネ住宅に建て替えて地球温暖化防止に貢献しましょう」みたいなことも、ほぼエコ替えと同じことでしょう。
建て替える行為だけで、どんだけのエネルギーを消費してるんだよ!という話ですよね。
だからといって省エネ住宅が嫌いなわけではありません。暖房も冷房もあんまり使わなくても家の中が快適な温度を保ってくれるなんて、そんな便利な話は無いです。
そうです。快適さにあまりランニングコストを注がなくてすむというメリットと、豊かな空間をつくっても温度変化が激しくて不快になるというリスクから逃れられるというメリットでよさを感じています。
つまり、環境負荷低減ではなく、経済負荷低減の意識です。
WEBSITEでは「温熱経済効果」と表現してみました。
「我が家の温熱経済効果は○○万円ですよ」ということが正しい意識なんだと思います。
環境がビジネスになる世の中です。
というよりは、環境がビジネスになるように世界が方向付けてるというほうが正しいでしょう。
現代に生きる人間は、地球をこんなにエネルギーを使いまくる場所にしてしまったのだから、
ゼロにするということは人類滅亡を意味するわけだから、そんな議論は不毛なんです。
「ゴミを減らそう」というのと「ものに対する潔癖精神」は同時に語られなければならないんですよ。
みんな指紋や手垢がついた商品は嫌がって包装することとか、
食品の賞味期限にものすごい敏感になっていることとか、
ゴミの増えるようなことは要求しておきながら、ゴミが多いと嘆いているでしょ。
わけわかりません。
そもそも家の中で靴を脱いで生活するということだって、ゴミを増やしてるんですよ。
はだしで生活しても不潔じゃない状態を保たなきゃならないんですから。
へりくつだ!と思わないでね。相対的なだけです。
相対的に考えてないだけで、理屈がおかしいものだらけなんです。
教育とはそういうことを覚える場だと思うんだけどね。
あんまり議論されないですね。
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シキナミカズヤ建築研究所