日経記事;『総人口64万人減の1億2550万人 21年、減少率最大に』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『総人口64万人減の1億2550万人 21年、減少率最大に』に関する考察

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皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

4月15日付の日経新聞に、『総人口64万人減の1億2550万人 21年、減少率最大に』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『総務省は15日、2021年10月1日時点の人口推計を発表した。外国人を含む総人口は20年10月と比べて64万4000人少ない1億2550万2000人だった。減少は11年連続。減少率は0.51%で、統計を取り始めた1950年以来、最大となった。。。』

 

ざっくりと申し上げますと、約64万人の人口減少は、日本の中核都市クラスの人口が消滅したことになります。

 

日本の中核都市の人口例は、千葉様船橋市約61万人、愛媛県松山市約51万人、栃木県宇都宮市約51万人などとなります。

 

最近1年間の人口減少は、上記船橋市の人口分に相当します。日本の毎年起こる人口減少は、言うまでもなく日本の将来に大きなマイナスとなります。

 

さらに、日本の経済の原動力となる生産年齢人口は、より深刻な状況になっています。生産年齢人口とは、OECD加盟国間で共通に決められている労働力の算出基準です。

 

生産年齢人口は、15歳から64歳までの人口を意味しており、自分で稼いで自分で食べる世代を指します。

 

一般的に、生産年齢人口が高いほど、その国の中間所得が大きいことを意味します。つまり、生産年齢人口は、地域や国の経済力を示すものさしの一つになります。

 

日本の生産年齢人口は、政府が提示しています下記Webサイトの資料をみますと、急激に減少していることが判ります。

https://www.cao.go.jp/zei-cho/content/2zen2kai1-2.pdf

 

この資料のポイントは、『 生産年齢人口(15-64歳)は2065年に約4,500万人となる見通し(2020年と比べ約2,900万人の減少)』です。

 

生産年齢人口の急減少は、日本の国力の低下を意味します。政府は、この生産年齢人口の急減少に対して、抜本的な対策を行わないと絶対に止まりません。

 

第二次世界大戦後に、人口減少に直面したフランスや北欧などの国々は、若い世代が子供を出産し、育児や教育などをしやすい環境整備を国策として行ってきましたし、今も行っています。

 

また、米国や欧米は、今まで海外からの移民に対して比較的に寛容でした。これは、人口減少が国力の衰退につながることを国として認識していることによります。

 

一方、日本の政府が人口や生産年齢人口の急激な減少に対して、政府全体の施策として対応策を打ち出していません。これは、危機意識がないのか、あるいは抜本的な対策の作成と実施能力が欠如していることなどによるのが、原因なのかわかりません。

 

ちなみに、主要国の生産年齢人口の推移は、独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表しています下記資料に掲載されています。

https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2019/02/d2019_T2-04.pdf

 

私は、支援先企業が新規事業立上を行うときに、対象市場を国内だけでなく可能な限り米欧アセアン地域などの英語圏市場に広げて考えるようにしています。

 

これは、上記しましたように、国内市場規模が、生産年齢人口の急減少により、縮小していることによります。

 

もし国内市場が安定した規模であれば、新規事業立上げは国内市場で行って、その後、上記米欧アセアン地域などの英語圏市場で事業展開するやり方が一般的なやり方になります。

 

ベンチャー・中小企業は、中堅・大手企業が手を出さないニッチ市場で、勝ち組にならないと新規事業立上げができません。

 

国内のニッチ市場が大きくならなければ、ベンチャー・中小企業がこの市場で勝ち組になっても、収益拡大が見込めません。

 

必然的に、私の支援先企業は、国内プラス米欧アセアン地域などの英語圏市場で、新規事業立上げのための販路開拓・集客を行うことになります。

 

また、日本および米欧アセアン地域などの英語圏市場では、IT・インターネットの社会基盤が出来上がったことで、国内のベンチャー・中小企業がこれらの海外市場にアクセスすることが、非常に容易になりました。

 

海外ビジネスの対象地域や対象国を検討・選定するときの指標の一つが、生産年齢人口の推移や規模になります。これは、上記しましたように、生産年齢人口が経済力をみる指標の一つになることによります。

 

一般的に、国内のベンチャー・中小企業が参入しやすい地域や国は、一定規模の生産年齢人口があり、右肩上がりで伸びているところになります。

 

日本については、生産年齢人口の減少に対する短期的な課題解決は、企業の生産性を飛躍的に上げて、人手の省力化を実現する、可能な限りの現場作業を自動化する、ITなどの人材が不足している事業分野への人材のシフトを行う(これには、人材の再教育;リスキリングの実施が必要)などの施策を早期に行う必要があります。

 

上記の短期的な課題解決には、国内のベンチャー・中小企業が新規参入できる分野があります。新規参入をより一層容易にするため、政府には、規制緩和・撤廃と、予算の確保を期待します。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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