- 小笠原 隆夫
- ユニティ・サポート 代表
- 東京都
- 経営コンサルタント
-
03-4590-2921
対象:人材採用
- 中井 雅祥
- (求人とキャリアのコンサルタント)
- 中井 雅祥
- (求人とキャリアのコンサルタント)
新卒採用をお手伝いしていると、とにかくいろいろな人に出会います。その中には、とにかく優秀だと思う学生がときどきいて、学業優秀、豊富な海外経験、成熟した考え方など、本当に感心します。
そんな時ほど、「自分はどうだっただろうか」と自分自身の学生時代を思い起こします。
自分のことを今になって考えると、基本的に世間をなめていたように思いますし、態度も生意気で、学生らしい可愛げはあまりなかったと思います。学業優秀とまではいえず、特に何かに打ち込んでいたというほどでもなく、立派な成績を残したものもありません。つまり、絶対に優秀とは見られなかった学生だったということです。
そんな自分でも採用してくれる会社があり、それから仕事とプライベートで様々な経験をしていく中で、少しずつ落ち着いて謙虚さを持てるようになり、身の回りのことを受け入れられる幅も広がってきました。今の働き方は、自分の理想に近い形でできるようになり、もちろんまだまだ不足はありますが、それなりに進歩はしてきました。
自分の場合は、どちらかというと「環境先行型」というところがあり、周りの環境が変わって初めてそれに順応する行動を取り始めます。特に自分では、事前に準備して勉強することは苦手で、放り込まれた環境に合わせて必要な行動を取り始めます。
そのため、学生時代はその時期から社会人の準備をするようなことはなく、将来に向けた取り組みなどを考えることもなく、就活生としてはまったく優秀ではありませんでした。
そんな私が、「優秀な就活生」を見ていてつい思うことがあります。それは、学校を卒業する二十歳そこそこの段階でここまででき上がっていて、その後の成長余地は果たしてあるのだろうかということです。
これまで見てきた中で考えると、卒業時のアドバンテージを保ったまま伸びていく人はいるにはいますが、そういう人は圧倒的に少数派です。優秀に見えた人材が、その後の社会経験を重ねていく中で、いつの間にか馬群の中に消えて目立たなくなってしまうことは、それほど珍しいことではありません。
本人は決してサボっている訳ではありませんが、多くは周囲の伸びの早さに吸収されてしまっています。それはその人が比較的早熟で、出来上がりが早かったということがある反面、残っていた伸びしろが少なかったということもいえます。
伸びしろは言い方を変えれば「潜在能力」ですが、これを見極めるのは簡単なことではありません。はっきりいって不可能かもしれません。
ただ、新卒採用は、この不可能な見極めを何とかしようとしている訳で、それを過去実績や現状の姿から判断しようとします。
そこで「優秀な就活生」に出会ったとして、その優秀さは現段階での優秀さであり、将来に向けての優秀さまで保証されている訳ではありません。「地頭」とか「人間力」といった言葉で、将来の優秀さを担保しようとしますが、これは確実なことではありません。
どんなに「優秀な就活生」であっても、将来まで優秀であり続けるかどうかは、結局はその後の人材育成にかかっています。放置していてはせっかくの伸びしろをつぶしてしまいますし、もしかすると、その伸びしろ自体が少ないのかもしれません。
そんな見極めの意識は、心のどこかに持っておく必要があると思います。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。
組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。
「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム
「カリスマリーダー」は配慮が細かいという話(2024/01/31 23:01)
「うちは特別だから」という会社の話(2024/01/10 22:01)
メリットだけではない「離職率の低さ」(2023/12/06 23:12)
「いつでも機嫌が良い」というリーダー資質(2023/11/01 16:11)
「根気の続かない人」と「融通が利かない人」(2023/10/19 13:10)
このコラムに関連するサービス
当事者では気づきづらい組織風土の問題をアドバイス。同テーマ商品の対面相談版です。
- 料金
- 6,000円
「今一つ元気がない」「何となく一体感がない」など、職場の風土や雰囲気に関する悩みについては、当事者しかわからない事情とともに、当事者であるために気づきづらい事もあります。これまでのコンサルティングで、活気を維持する、活気を失う、活気を取り戻す、という様々な事例、プロセスを見た経験から、会社状況に合わせた原因分析、対策をアドバイスします。(同テーマのメール相談を、より詳細に行うための対面相談です)
このコラムに類似したコラム
担当者次第で結果が大きく変わってしまう採用活動 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2022/04/21 07:00)