「ウサギとカメ」を本当に実験した話から思ったこと
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イソップ童話で有名な「ウサギとカメ」のお話は、ほとんどの人が知っていると思います。
ウサギとカメがかけっこの勝負をして、足の速さでどんどん先へ行ったウサギは、余裕しゃくしゃくで居眠りを始めてしまい、その間に着実に進んだカメが勝つという話です。
たまたま目について、その後検索してわかったことですが、この「ウサギとカメ」を、本当に競争させたらどうなるかという実験の動画がかなりたくさんありました。その結果は童話と同じように、カメが勝ったというものが多かったようです。
そこでは、単純なイメージで思われている「動きが早い、遅い」といったことでなく、ウサギとカメそれぞれの性質に要因がありました。
ウサギの場合は、基本的に臆病ではあるものの好奇心旺盛らしく、実験中は周りの様子をうかがっていたりして、そのせいで結構長い時間足を止めています。襲われたときに逃げる敏捷性には優れていますが、長距離を走るのは苦手なようで、走り続けることはあまりないようです。
これに対してカメの方は、全般的に臆病なものが多いそうですが、それも種類によって様々のようです。基本的にはあまり協調性がないそうで、群れているのも居心地のよう場所が共通しているというだけで、特に群れで行動するわけではありません。中でも特にリクガメは、エサを求めて陸上を移動するので、常にエサを求めて大変な運動量で歩き続けるといいます。コンスタントに歩き続けるのが得意ということです。
こんなそれぞれの性質、特性を考えると、「ウサギとカメ」の競争でカメが勝つことは、かなり必然に近い部分があります。
この話から思ったことが二つあります。
一つは、「ウサギは早くてカメは遅い」といった見た目のイメージは、必ずしも適切ではなく、もう少し細部を見なければ、性質や特徴はわからないということです。上辺だけを見た思い込みの判断は禁物といえます。
もう一つは、「カメはコンスタントに動き続ける」など、その性質に合ったことを見極めて適切な取り組みをさせれば、高い確率で成果が得られるということです。それこそがまさに適材適所ということでしょう。
組織の中でよく言われる「適材適所」は、それを本当の意味で実現できていることは、決して多くはありません。思い込みや特徴を見誤ったことによる一方的な判断、会社事情優先の押しつけなど、適材適所になっていないことが多々あります。
もちろん本人が思っている適所と、周りから見た適所は違うことがあります。自分自身の思い込みや好き嫌いから、本当の適性を見誤っていることもあるので、他人の言葉に耳を貸すことも必要です。
「ウサギは早くてカメは遅い」などの表面的なことでなく、勝手な思い込みをせず、もっと本質を見極めた適材適所を心がけることが大切です。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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