もしも転職活動をするとなると、誰でも必ず「職務経歴書」を書くと思います。それまでの自分の仕事の経験として、どんなことをしてきたかを相手に伝えるための資料であり、転職においては一番決め手になる大事な書類です。
この書き方を指南するような手引きは、ずいぶんいろいろなところで目にします。やはり、書いたことがないと、何をどこまで、どんな書き方をしたらよいのかがわからないということがあるのでしょう。
これは、私がいろいろな人に伝えていることですが、転職をするかしないかに関わらず、自分の職務経歴書を作り、それを毎年くらいの頻度で定期的に更新することをお勧めしています。
なぜかというと、会社の中で自分のキャリアを取り立てて意識しないまま過ごしていると、例えば、1年2年という期間を経過したにもかかわらず、自分の経歴書に書き加えられることが何一つないという状況が起こってきます。自己キャリアの停滞ということですが、普通に日常を過ごしていると、そのことには意外に気づきません。
こういう人が転職を考えたときに、職務経歴書を書いて初めて気づいたりするわけですが、このような停滞が、実際に転職をする際には大きなマイナスになります。
そんな状況を防ぎ、今の自分ができることは何なのかを確認しておくという意味で、定期的に職務経歴書をまとめておくと、自分が持っているスキル、キャリアの特徴、セールスポイント、反対に不足していることなどを把握することができます。
もしも職務経歴書の内容が2年続けて変わらないようなことがあったとすれば、他人に伝えられるような成果がその期間にはなかったということで、厳しく言えば、その期間に自分の進歩はなかったということになります。経験年数が増えているのに中身の追加がないということは、実質的なレベルは下がっていることになります。
ともすれば、日常に流されてしまいがちですが、そのことに気づかないままでいると、いざというときに取り返しがつかない状態になっています。
自分のキャリアを定期的に可視化して確認していれば、常に自分の現在地を知ることができ、キャリアの停滞は自分の取り組み次第で回避することができます。キャリアの可視化のために、「職務経歴書」は意外に有用です。
転職を考えていなくても、一度は「職務経歴書」を書いてみて、そこに直近数年で書き足せることがなかったとしたら、あらためて自分のキャリアを真剣に考える必要があります。
このコラムの執筆専門家
- 小笠原 隆夫
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- ユニティ・サポート 代表
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