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最後に労働法から
労働法は政策の趣旨が 労働者保護 にあることから、法人税法のように資本金を尺度として「小」規模事業者に着目し ''積極的(経済的)メリット'' を与える考え方はありません。 もちろん反対解釈すれば、小さいことでいくつかの手続きや規制が免除になるという意味においては ''消極的メリット'' があるという見方もできるかもしれません。
労働法では 資本金 という視点よりもむしろ ''従業員数'' を規模の指標とし規制を強める運用がなされており、法律の趣旨からして法人税のケースのように ''資本金'' との関係を取り上げる意味はあまりないかもしれません。
10人(以上) 就業規則の作成・届出義務の発生 [ 労働基準法 ]
50人(以上) 産業医の選任義務 [ 労働安全衛生法 ]
など一定数以上の規模の会社に対する規制強化を図っています。 これもやはり 労働者保護 の考え方が背景にあります。
ちなみに労働法の世界でも一般に中小企業の定義が存在し下のとおり「業種」ごとに異なります。
[ 卸売業 ] 資本金 1億円 以下 (従業員数 ''100人'' 以下)
[ サービス業 ] 資本金 5,000万円 以下 (従業員数 ''300人'' 以下)
[ 小売業 ] 資本金 5,000万円 以下 (従業員数 ''50人'' 以下)
[ その他 ] 資本金 3億円 以下 (従業員数 ''300人'' 以下)
労働基準法上、この基準が用いられることはありませんが、広義の 労働法 の中ではこうした資本金・従業員数を尺度とした中小企業基準が使われることがあります。
(1) 労災保険の特別加入要件 [ 個人事業主等の労災保険加入 ]
(2) 中小企業退職金共済の加入要件
(次コラムへ続く)