耐震補強改修中の住宅の壁を取り除いてみると、
なんと、筋かいが換気扇を設けるためにバッサリとカットされていました。
筋交(すじかい)とは柱と柱の間に入れる補強材のことです。
柱間に入れる斜材で水平方向の力の強度が増す仕組みで、
暴風や地震時に建物の揺れを防ぎ強度を保つためのとても大切な構造材です。
キッチンのコンロがあった場所なので、その上部だから切断したと思われます。
古い建物ではよくあること、とはいえやはり・・・・。
今でも量販店などに換気扇やエアコンの取り付け依頼した場合など、
取り付けの業者さんが、壁の内部構造がわからず開けたいところに穴を開け、
筋交の断面を欠損してしまう事があります。
これ、壁の中だから開けた業者さんや家主さんも、外から見ると気づかずそのままになってしまいます。
構造的に理解している設計や大工さんに相談することが大切です。
この壁は、今回耐震補強と断熱材を二重に入れて、安心安全な快適空間に変えていきます。
| コラム一覧 |
このコラムの執筆専門家
- 中村勝己
- (広島県 / 建築家)
- 中村勝己建築設計事務所
目指すは大らかでゆったりと過ごせる気持ちのいい空間の家
昼夜問わず演奏可能な本格的音楽スタジオを持つ家。街の中でも風や光、豊かな自然を感じる家。あなたや家族の思いを受け止め、工夫とアイデアで予想以上の空間を実現、思いや夢をカタチにします。五感で感じるお気に入りの場所を一緒につくりましょう。
082-276-1241