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「“格下への接し方”が器の大きさを表わす」という話

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 私の思い・考え

 もう数年前の、ある経営者交流会でのことですが、かなり久しぶりに尊大な態度で自慢が多い社長に出会ったことがあります。私があまり好きになれないタイプの人です。

 

 年令は50代後半くらいで、某有名企業を退職してシニア起業で独立したようです。「自分にその気はなかったが、“周りの人たちからどうしても”と望まれて独立した」そうです。本当にそうなのかはわかりません。

 

 “尊大な態度”がどんなかというと、話し口調はほとんど「タメ口」に近く、人の話をほとんど聞かずに自分の自慢話をします。名刺交換一つをとっても、もらった名刺を丸めてポケットに入れそうな勢いで、態度がいちいち感じ悪いです。

 私はそういう人とはできるだけかかわらないようにしているので、大した被害はありませんでしたが、初対面の他の社長相手に「その程度の事業では」とか「自分はこんなに大きな仕事をした」とか、明らかに見下したような態度を取っています。

 

 当然ですが、周りからどんどん人がいなくなり、にぎやかな中で一人ぽつんとしています。もう一度だけ少し声をかけてみましたが、やはり同じような態度なので、もともとそういう性格の人なのでしょう。

 ただ、有名企業で揉まれてきた結果があの感じだとすると、一般的なキャリアルートから大きく外れてしまって辞めざるを得なくなったか、もしくは相当偉い立場になって勘違いしてしまったかのどちらかの場合がほとんどですが、私の経験からすると、圧倒的に前者の可能性が高いのではないかと思いました。

 

 私が懇意にしている経営者の方々と話していると、よく「本当に偉い人ほど腰が低い」という話になります。ある人物を指して“あんなに大企業”“あんなに有名人”なのに丁寧で品が良く、気さくでなおかつ腰が低いなどという話や、みんなが経験してきた一般論では、「格上の人ほど不遜な態度を取らない」という話が共通しています。

 

 いくつかの書籍やウェブ記事で、それぞれ表現のしかたは違いますが、「格下への接し方がその人の器をあらわす」という話がありました。

 これは私の知人の社長ですが、自社の新入社員との懇親会で、相手との話し方では敬語をほとんど崩さず、かといって相手の親近感を失わせない暖かさを感じる、絶妙な品格ある対応をしている様子を見たことがあります。

 相手への敬意と親近感を両立させるのは、やろうとするととても難しいことで、普通であれば、堅苦しくなるか馴れ馴れしくなるかのどちらかに偏ってしまいます。この社長の振る舞いを見て、心から感心したことがありました。

 

 人間を格上や格下ということ自体が良くないという考え方もありますが、やはり社会全体の中ではその人の立場による上下関係は存在します。そういう中で、「格下への接し方がその人の器を示す」というのはよくわかる気がします。

 短期的に見れば、威圧、恫喝、自慢が必要な場面はあるのかもしれませんが、それを長い目で見たとき、本人が得をすることは何一つないと思います。尊大で見下した態度でも、何かメリットがあれば相手は嫌々付き合ってくれますが、そのメリットがないと見られた途端に、周りから人が去っていきます。他人を見下す性格の人とは良いビジネスが成立しないことを、多くの人たちは知っています。

 

 社会的な立場がある人ほど、「格下への接し方」には注意が必要です。

 

 

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