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「浸透」「徹底」という時にやるべき一つだけのこと

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 様々な会社で人事、組織というテーマに関わっていると、経営理念や企業理念をはじめとした「理念の浸透」や、経営方針や事業方針などの「方針の徹底」といったことが課題として挙がることがたびたびあります。

 

 課題になるということは、それぞれ重要性が理解されているにもかかわらず、それがうまくいっていないということであり、多くの会社で同じように取り上げられるということは、何か共通した難しさがあるということでしょう。

 

 こういった課題が挙がった時、私はある大企業の社長経験者から言われたことを思い出し、それを関係者に伝えています。

 この人が現役社長だった時代に、社内の組織変革のために、ある特定のキーワードをスローガンとして、その言葉による「理念浸透」に取り組んだことがあり、結果的には多くの社員に何とか浸透したと評価できるレベルになったそうですが、そこで実際に取り組んだのは、とてもシンプルなたった一つだけのことで、それはただ単純に「そのスローガンを事あるごとに繰り返し言い続ける」ということだったそうです。

 

 ただし、その取り組みは話を聞く限りではかなり徹底していて、社員が集まって自分が何か話す機会があるイベントやミーティングでは、オフィシャルかプライベートかを問わずその「理念」「スローガン」を繰り返し語り、会社案内ほかのパンフレット、ホームページ、社員証や名刺、その他社員が持ち歩くものや目に留まる情報発信には、必ずその内容を載せたそうです。ちなみにスローガンを社内掲示することも考えたそうですが、それは社内の美観を損ねると考えてやめたそうです。

 とにかくやったことは、利用できる機会を徹底的に利用して「理念」を事あるごとに言い続け、他の役員や管理職にも同じように語り続けることを求めたという単純なことでした。

 

 この効果は徐々に表れて、1年ほど経つころには社員の口から「うちの理念は・・・」という言葉が出始めるようになり、仕事をする中では、みんな頭のどこかにこの「理念」を置きながら考えるようになったそうで、それにつれて、課題だった組織風土も少しずつ良い方向に変わっていったといいます。

 

 会社から、例えば「○○の徹底」といった指示が下りてくることがありますが、そこで具体的な実施方法まで指示されることは、あまりないと思います。

 

 そこで行われることは、たぶんその指示があった以降で一度か二度くらい、「○○を徹底するように」などという確認や言い伝えがされるくらいで、もう少し真面目に取り組む人でも、何かの節目で同じ話を繰り返す程度のものでしょう。それでも話題に上る回数は決して多いとは言えず、ほとんどは単発の取り組みで終わってしまいます。

 「浸透」「徹底」と言いながら、それに向けた行動はなかなかできないもので、たぶんそれが「理念の浸透」や「方針の徹底」の難しさになるのでしょう。

 

 「浸透」や「徹底」などときれいな言葉で表現されても、それは結局「刷り込み」とほぼ同じことです。そこで実際にやることといえば、「多くの機会を見つけ、できるだけ数多く、繰り返し言い続けること」しか方法はありません。

 「理念の浸透」「方針の徹底」は、ただシンプルに「ひたすら言い続けること」ができるかどうかにかかっています。

 

 

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