何を思ってもいいけど、何を言ってもよくはない

新型コロナの感染拡大がとまらず、対面カウンセリングを今後も継続するかどうしようかずっと悩んでいたのですが、状況が落ち着くまでは原則ZOOM対応とし、ワクチンを接種し対面を希望される方にはお越しいただくことにしました。

カウンセリングルームには窓がなく、椅子近くと開放している出入口の前に各1台空気清浄機を設置し、アクリル板も置いていますが、デルタ株はどうやら空気感染するようなので換気に自信がもてず、今回の決断に至りました。お互いを守るためどうぞご理解願います。

なお、現在休止している新規の方の受付は、今のところ9月から再開の予定でいます。ご希望の方にはお待ちいただき恐縮ですが、もう少しお待ちくださいませ。

さて、先日、有名ユーチューバーの方の発言が炎上していましたが、その前の河村市長の暴挙にしても、言っていいことと悪いこと、やっていいことと悪いことの区別がつかない人が後を絶ちませんね

自分のなかだけでなら、何をどう思うのも自由です。どんなに過激なことでも、自分の内側だけ、あるいは同じ考えの閉じたコミュニティのなかでなら問題ありません。

でも、オープンな場所で、しかも影響力のある人が表現するのは大問題です。

ほとんどのハラスメントの加害者は、「そんなつもりじゃなかった」「悪意はなかった」と言い訳をしますが、ハラスメントの定義は「本人の意図には関係なく」なんです。

なかには、素直＝バカ正直＝本音を言って何が悪い＝嘘は言いたくないなどと堂々と主張する人もいますが、これは大きな誤りです。

本音を言わなければ気が済まないのは子どもと同じ。「あの人ハゲてるよー」と指をさすのと同じことです。

相手の尊厳を傷つけるようなことを言ったりやったりするのは、自分さえスッキリすればそれでいい、他人の気持ちなんかどうでもいいという、とても傲慢で未熟な考え方。

その場その場で適切な表現を心がけるのは、成熟した大人として当然のマナーです。

嫌いな人ともきちんと仕事をするのは、嘘をつくことでも汚いことでもなく、プロとして仕事をするということ。大人ってそういうものですよね。嫌いな人と仕事したくなければ、その仕事をやめるか、やめさせられるか、わがままが通るくらいの実力をつけるかくらいではないでしょうか。

嫌いな人にもきちんとあいさつするのは、個人的な感情に振り回されずに、誰に対しても人として尊重し礼儀正しくあろうとする自分に自信と誇りがもてるからでもあります。

誰かに黒い気持ちをもつことはあっていい。でも、それを表現する、実行するとなると話は別。自律、つまり自分をコントロールできることが成熟した大人です。

自分の黒い部分は無理に抑えこんだり否定したりするのではなく、しっかり認めてあげることがとてもとても大切です。できれば言語化して安全なかたちでアウトプットすること。カウンセリングで話してもいいし、日記を書いてもいい。書くことは本当におススメです。

普段から自分の黒い部分を自覚しておけば、今表現していいかどうかの判断もできるようになります。普段抑圧しているから、刺激されたときにコントロール不能になるんです。表現をコントロールするのは嘘をつくことではないし、練習すればできるようになります。ぜひチャレンジを。