米国特許例:カーナビゲーション特許の文言解釈-1- - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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米国特許例:カーナビゲーション特許の文言解釈-1-

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米国特許判例紹介:カーナビゲーション特許の文言解釈

        Vehicle IP, LLC,
        Plaintiff-Appellant,
             v.
         General Motors Corp. et al.,
          Defendants-Appellees.

    〜モバイルカーナビの特許権侵害事件〜(第1回) 
河野特許事務所 2009年3月31日
                執筆者:弁理士  河野 英仁

●概要

 本事件は、カーナビゲーションシステムに関する特許権侵害事件である。特許の権利範囲はクレームの文言に基づき判断されることはいうまでもない。その際クレームの文言は、普通の意味ordinary meaning)に解釈される。また、当該クレームの文言解釈にあっては、明細書の記載、及び、審査過程において出願人が米国特許商標庁(USPTO)に対して主張した事項が参酌される*1。

 本事件においてはクレームの「Coordinate(座標)」の文言解釈が問題となった。特許権者は、カーナビを販売する自動車メーカ、カーナビ機器メーカ及び通信会社を特許権侵害として訴えた。

 「Coordinate(座標)」をどのように解釈するかにより、侵害の有無が決定される。地裁はCoordinateを絶対的な位置である座標に限定解釈し、距離等のスカラー量は技術的範囲に属さず、非侵害であると判断した*2。原告はこれを不服としてCAFCへ控訴した。CAFCは、クレームの文言及び審査経過を考慮し、地裁の限定的解釈を支持する判決をなした。


(第2回に続く)