- ヨシダケイスケ
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対象:キャリアプラン
- 宇江野 加子
- (キャリアカウンセラー)
- 冨永 のむ子
- (パーソナルコーチ)
子どもの教育には幼いうちから力が入るものです。
最近では、赤ちゃんがまだお腹にいる出産前から予約しなければ入れない幼児教室もあって、子どもへの期待がますます高まっていると思われます。
さて、中学校受験、高校受験でよりレベルの高い学校に入学したとして、その先に目指すのはやはり大学受験になると思いますが、いま「大学入試」は大きく変わっていることをご存知でしょうか。
1990年から始まった「センター試験」は2019年に終了し、2020年からは「大学入試共通テスト(以下、共通テスト)」に名称が変更となり、問われるものもかなり変わりました。特に自分で考える力、普段から疑問に思う力が重視されるようになってきた印象を受けます。
さて、2024年以降は、この「共通テスト」がさらに大きく変わると言われています。英語は外部資格や検定試験が導入され、地歴公民や理科では記述式の導入が検討されています。
記述式の導入に関しては、採点の質、自己採点と採点結果の不一致などの課題から一旦は見送られましたが、このようにたびたび検討されていることを踏まえると、国としてはマーク式でなく記述式で養える力を重視したいと考えていることは明らかでしょう。
そこで、これからの教育に必要となってくる観点についてまとめました。
まず、そのような大学入試の変化を先取りし、英検を始めとする各種検定試験の受験を促す学校が増えてくると思います。そのときに、このような背景を知らないと、「大学受験のために入学したのに、どうして検定試験ばかり勧めてくるのかしら?」と不信感を抱いてしまうかもしれません。ですから、これからの教育に必要となってくる観点の1つ目として、親として、いま受験界で起こっている大きな変革の流れを捉えておくことはとても重要と言えます。
次に、これからの教育に必要となってくる観点の2つ目です。
これからの大学入試は、従来「AO入試」と呼ばれていた「総合型選抜」が増えてきます。これは、学ぶ意欲や学びに対する適性や能力などの可能性を評価する試験です。これまで、AO入試というと、芸能人の入学で話題になったこともあり、特別な能力を持った生徒が受験する特殊な試験といったイメージをお持ちの方もおられると思いますが、それがこれからの入試では一般的になっていくと言えるでしょう。
すなわち、これまでのように「とりあえず学業成績を上げる」という教育方針を続けていたのでは、この変化から取り残されてしまう恐れがあるのです。
「総合型選抜」のポイントは、大学が提示する「アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)」に基づいた「求める学生像」と、受験生の「学びたいこと」が合うかどうかということです。ですから、親としては、自分の子どもの「学びたいこと」が何なのかをよく把握している必要がありますし、それを学ぶのに最も適した大学はどこなのかを知っておくことが肝要と言えます。
このような変革に対して、一度に大勢の生徒を見なくてはならない学校に全てを委ねようとすれば、十分なサポートを求めることは難しいでしょう。学業成績重視のこれまでの受験であれば、各科目の受験のエキスパートである学校の教員に任せるのが最も効果的だったかもしれませんが、受験生の「学びたいこと」が重視されるこれからの入試では、生徒の主体性と家族のサポートが重要になってくると言えます。
以上を踏まえると、これからの教育において最も大切なものは、自分の子どもの「学びたいこと」が何なのかを把握し、その子にとっての最適な選択肢を、学校のサポートを受けながら、親子で一緒に探していくことにあるのではないでしょうか。
参考:「アプローチマガジンダイジェスト2021」p.32-34 LICENSE ACADEMY
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