修理中のお寺の鐘楼の基壇石積が出来上がりました。
下段の間知石(けんちいし)の傾きや凸凹に擦り合わせるように
来待石の直線的な基壇の底面をそれに合わせながら削り設置します。
間知石は、武者返し積みと呼ばれる上に向かい緩やかな円弧を描いて積んでいます。
一つ一つの石は外側に孕ませた六角形の石を組み合わせた亀甲積みになっています。
とても美しい石積みで、地震力を分散する目的があり、加工する手間と高い技術力が見てとれます。
今回改修に携わり、細部の測定を進めると、この石積みの方法や技術の凄さがよくわかりました。
改修の工程を考えると気が遠くなりました。
古い時代からの産地であり、江戸時代には藩が管理していた「来待石」。
加工技術と合理的なデザイン力の素晴らしさに感服です。
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このコラムの執筆専門家
- 中村勝己
- (広島県 / 建築家)
- 中村勝己建築設計事務所
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