日経記事;『迫る少子化危機、育児支援急ぐ世界 持続成長のカギ』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『迫る少子化危機、育児支援急ぐ世界 持続成長のカギ』に関する考察

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皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

6月3日付の日経新聞に、『迫る少子化危機、育児支援急ぐ世界 持続成長のカギ』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。人口が経済力や市場の大きさに直結することから、中小企業がこの人口を見ながら、どのように販路開拓・集客を行うのかについて書きます。

 

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『世界各国・地域が少子化対策・育児支援策の拡充を急いでいる。日本では3日、衆院本会議で男性が育児休業をとりやすくする改正育児・介護休業法が可決、成立した。米国でもバイデン政権が10年間で1.8兆㌦規模(約198兆円)を投じる対策を打ち出した。背景には新型コロナウイルス危機が加速させた世界的な出生数の減少がある。子育て環境の整備に加えて、出産への経済的な不安を和らげる対策が肝となる。。。』

 

日本では、厚生労働省がまとめている妊娠届などから、2021年の出生数は80万人を割り込む可能性が高いとのこと。日本の出生数は2016年以降毎年100万人を下回っています。

 

特に新型コロナウイルスの影響拡大下での2020年および2021年の出生数は、下がっています。この状況は、米欧でも同じようです。

 

日本及び米欧などの海外は、出生率の低下は将来の労働力の減少により今後の経済成長力を下げると認識しています。

 

具体的には、この労働力は15歳から64歳までの生産年齢人口と定義されます。この生産年齢人口は、自分で稼いだお金で消費する人口層となります。生産年齢人口は、各国の中間所得層になります。この中間所得層が、国の経済力に直結します。

 

したがって、各国は生産年齢人口を増やすことに注力を払うことになります。ここで、日本の生産年齢人口を下記内閣府が公表しています「人口をめぐる現状と課題」のWebサイトを見ますと、2013年10月時点の人口推計では、生産年齢人口が約7901万人となり、32年ぶりに8000万人を下回りました。生産年齢人口は2013年から2020年までには約50万人、更に2030年までは約100万人も減ると推計されていると書かれています。

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s3_1_1.html

 

中小企業は、中堅・大手企業と同じ市場(土俵)で勝負すると、資本力や人材力などの観点から負けるケースが多くなります。

 

一般的に、中小企業は中堅・大手企業が手を出さないニッチ市場でビジネスを行うことが賢明なやり方になります。

 

中小企業がビジネスを行うニッチ市場は、もともとの市場規模が小さいので、対象国の市場自体が大きくならないと、中小企業は継続的な収益拡大を実現することが困難になります。

 

中小企業が日本国内市場に固執して、事業を継続しても収益拡大を実現することが困難になります。これは、上記したように、日本の市場規模が生産年齢人口減少により縮小し続けることが見込まれるからです。

 

私が、中小企業の米欧アセアン地域などの英語圏市場の販路開拓・集客支援を積極的に行う理由は、そこにあります。

 

私が海外市場の規模を見る場合、生産年齢人口から判断しています。生産年齢人口の絶対数、過去数年間の成長率、今後数年間の予測などから、進出国を決めるようにしています。

 

これは、経済協力開発機構(OECD)が生産年齢人口を共通的に定義されているため、生産年齢人口が市場規模をはかる共通の尺度になることによります。

 

例えば、アセアン地域での生産年齢人口から、以下のようなことが言えます。

・タイ;すでに生産年齢人口が緩やかに減少に転じており、新規に労働力確保のための工場新設などの投資に不向き。労働者賃金が高くなっていることから、生産年齢人口層に焦点を当てた販路開拓・集客を行うことが適切。

 

・ベトナム;生産年齢人口の増加が当分続く見込み。現時点では、新規に労働力確保のための工場新設などの投資が適切。労働者賃金が毎年上昇し、生産年齢人口の数が多いことから、近未来にタイ以上の魅力的な消費者がいる市場となる可能性があり、今から販路開拓・集客を行うことが適切。

 

差別化・差異化可能な技術、商品、サービスなどをもつ中小企業は、適切なやり方を実行すれば、ほぼ例外なく成功できると考えています。対象となる海外市場は、上記の生産年齢人口を物差しにして選択すれば良いのです。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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