日経記事:『車用「全固体電池」、迫る日独決戦 トヨタは特許で先行』に関する考察 - アライアンス・事業提携 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事:『車用「全固体電池」、迫る日独決戦 トヨタは特許で先行』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. アライアンス・事業提携
経営戦略 アライアンスの事例と経営手法としての活用と課題

皆様、

こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

 

6月3日付の日経新聞に、『車用「全固体電池」、迫る日独決戦 トヨタは特許で先行』のタイトルで記事が掲載されました。

 

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。

『ポスト・リチウムイオン電池として期待される全固体電池の実用化を巡る競争がグローバルで過熱してきた。特許で先行するトヨタ自動車は年内に試作車の公開を検討する。独フォルクスワーゲン(VW)は米新興と組み電気自動車(EV)の航続距離を大幅に延ばす電池生産に2024年ごろから乗り出す。現行電池の生産規模で高いシェアを持つ中韓勢に対し、技術面の先行優位を生かせるかが問われる。。。』

 

EVの普及は、今後さらに進みます。このEVの性能を左右するのは、電池です。現在のEVに使用されている電池は、リチウムイオン電池です。この電池は、ソニーが世界で初めて開発・実用化しました。

 

ソニーは、すでにリチウムイオン電池の事業から撤退しています。ソニーは、この電池事業が収益を生むコア事業にならないと判断したことによります。

 

一方、電池はEVだけでなく、自然再生エネルギーにより発電した電気の保存機能という重要な役割が生まれています。今後、家庭用電池の需要も高まっていきます。

 

全固体電池の定義は、以下のようになります。

『『全固体電池』とは「電解液を使わず電極間を固体で繋ぐ電池」のことです。電解液というのは、正極と負極(電極)間で電気をやりとりするための電気を通す液のこと。自動車の12Vバッテリーなど鉛蓄電池には希硫酸液が使われているのは、長く自動車に乗っている方ならご存じですよね。現在の電気自動車のほとんどで動力用蓄電池として使われているリチウムイオン二次電池の多くに「有機溶媒(非水)系電解液」と呼ばれる電解液が使われています。

 

「有機溶媒系電解液」にもさまざまな種類がありますが、おおむね、この「有機溶媒」の可燃性が高いことから、リチウムイオン電池は「発火のリスクが高い」と言われる原因になっています。また、温度によってリチウムイオン電池の充放電性能が左右される要因でもあります。

 

全固体電池では電解液を使わないので、発火のリスクが小さく、幅広い温度域で安定した性能を発揮することが期待されています。』

出典元;https://blog.evsmart.net/electric-vehicles/all-solid-state-batteries/

 

全固体電池は、現在のリチウムイオン電池と比べて様々なメリットがあります。EV用途では、トヨタ自動車とフォルクスワーゲン、BMWなどが、開発・実用化を積極的に進めています。

 

どの自動車メーカーも、電池の専業メーカーではありませんので、当該電池の開発・実用化は、他社とのオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を積極的に行う必要があります。

 

フォルクスワーゲンの場合、米シリコンバレーのスタートアップ、クアンタムスケープと組んで開発しています。BMWは、米スタートアップのソリッドパワーと組んでいます。

 

一方、トヨタはパナソニックとのオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)により、全固体電池の開発・実用化を進めています。

 

パナソニックが全固体電池を開発・実用化するとき、素材メーカーとの協業が必要です。この素材分野では、国内企業が大きな競争力をもっています。

 

可能であれば、次世代電池である全固体電池の開発・実用化は、トヨタ、パナソニック、日産、素材メーカーなどのオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)によるオールジャパン体制で実現されればと考えています。

 

これは、自動車産業が日本の屋台骨を支える事業分野の一つであることによります。オールジャパン体制での全固体電池の開発・実用化は、参加企業のオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)への取組姿勢によります。

 

オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)は、参加企業がイコールパートナーシップで実行できることと、全ての参加企業が「Win/Win」の関係構築が可能になることが、必要かつ重要になります。

 

オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)成功のためには、どの企業がリーダーシップを取るかにもよります。私の今までの経験では、今まで、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を実施してきた企業が、イニシアチブを取ることが成功するための条件の一つになります。

 

私は、国内自動車業界の中で積極的にオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を行っているトヨタの動きに注目していきます。

 

トヨタがオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を駆使して、全固体電池の開発・実用化に成功すれば、国内ベンチャー・中小企業にとって一つのテンプレートになると考えています。

 

ますます複雑化・多様化・迅速化が進む国内外の市場で、国内ベンチャー・中小企業が勝ち組なるためには積極的にオープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を実行する必要があります。

 

トヨタのような巨大企業でも、1社単独で全固体電池の開発・実用化を行うことができません。今後の新規事業立上には、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)を積極的に採用していくことが重要になります。

 

オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)は、単なるお仲間作りではありません。参加企業が明確な達成目的を共有して、お互いにハッピーになる「Win/Win」の関係構築がポイントになります。

 

オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)のやり方については、今まで何度かブログ・コラムに書いてきました。

 

近い将来、オープンイノベーション;事業連携(アライアンス)のやり方については、別途新規にブログ・コラムで書く計画をもっています。

 

よろしくお願いいたします。

 

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム

このコラムに類似したコラム