ヒグジムの木下です。
初めてコラムを書きます。
初めてということで、まずは私のモノづくりのスタンスを語ることにします。
私のモノづくりのスタンス。
それは、ひとことで言えば、「クライアントの想いを具現化することをお手伝いすること」です。
私は、コピーライターやデザイナーは、
クリエイターであるけれどもアーディストではない、と思っています。
アーティストは、自分が表現したいことを、自分なりの表現法で世にアピールします。
しかし、クリエイターは違います。
クライアントからオーダーをいただいて、
クライアントに代わって、その想いを文章やデザインという表現で伝えていきます。
そこには、表現の巧拙はありますが、自分の意思表現はありません。
もちろん、クライアントと共同で、何かを主張したい場合はあるかもしれませんが、
あくまでも主体はクライアントです。
オーダーをいただいてモノをつくっている以上、持てる限りのノウハウと技術をもって
よりベストに近づくための提案はしますが、
それはあくまでもクライアントをサポートするためのものです。
だから、好きなものだけをつくるわけではありません。
私のいまの仕事の中では、
住宅や不動産、人材採用関係の広告が、確かに多くはなっていますが、
それは経験数が多く、その分野が得意であると評価していただいているからであって、
オーダーがあればさまざまなことに挑戦しようという想いはあります。
事実、かつては(といってももう20年近く前になりますが)
エステティック業界の求人広告を数多く手がけていましたし、
会社案内や入社案内を作成するために、メーカーやサービス業など、
さまざまな業種の企業の方ともお会いし、お手伝いをさせていただきました。
その中では、いつもより良いものをつくるために、
できる限りの提案をさせていただいたつもりです。
でき上がったものは一通りではありません。
オーソドックスなものもあれば、斬新なものもあります。
それは、あくまでもクライアントのご意向をお伺いした上で、
そのクライアントにはその表現方法がベストだと思ったからです。
一見したところでは、すべてを私がつくったと思わないかもしれません。
それは、私がアーディストではなく、クリエイターだからです。
引出しの中からいろいろなものを出してきて、
「このクライアントには、この表現方法がいいのでは」とご提案しているのです。
だから、大切にしたいのは、クライアントとともに一緒につくりあげていくという実感。
クライアントが思っていてもなかなかカタチにできないことを、
コピーやデザインといった表現技術で具現化してさしあげ、
満足のお言葉をいただくことが、一番うれしいのです。