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「手のつけ方がわからない課題」にはとりあえずどこかに手をつけてみる

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 お勧めの取り組み

 あるセミナーで、女性活躍支援、長時間労働抑止、ワークライフバランス、ダイバーシティといった、様々なテーマが網羅されたパネルディスカッションを聞きました。


 事例として、ある会社では女性活躍支援として、育児に関する部分から手をつけ始めたとのことですが、その理由は必ずしも切迫した事情があった訳ではなく、「何となく進めやすそうだったから」だったそうです。

 しかし、女性活躍に関する施策を検討して制度などを打ち出していくほど、実は男性社員の働き方が変わらないとほとんど効果がないということに気づき始めたといいます。そこから全社の長時間労働対策と、男性の育児休業取得の向上策に取り組むようになり、何年かかけて少しずつ成果も出始めているそうです。


 また別の会社では、ワークライフバランスのためにはまず長時間労働対策だろうと、朝型勤務やフレックスタイム制などの様々な制度を組み合わせて試したり、強制的に消灯したりもしましたが、働き方の習慣はなかなか変わらなかったそうです。

 そんな中で、「仕事をするには場を共有しなければならない」という固定観念が問題ではないかという話になって、そこから在宅勤務の制度やウェブ会議の環境作りを進めたそうです。

 その取り組みを続けるにつれて、社員間で労働時間への意識が少しずつ高まり始め、仕事内容によって在宅でできることと出社しなければできないことを個々の社員がきちんと切り分けるようになり、そこから実際の仕事のしかたが効率化されていって労働時間は相当少なくなったそうです。


 こんなお話から、私の経験でも共通することが三つあります。

それは、

・当初思っていたことは現実にやってみると思い通りにならず、やって初めて分かることがたくさんあること。

・人事の課題というのはそれぞれ分かれているテーマのようで、実は根っこはつながっているということ。

・課題がつながっているがゆえにどこから手をつけたら良いかがわかりにくいが、とりあえず手をつけてみると動きが始まること。

の三点です。


 「女性活躍支援」「長時間労働」「ワークライフバランス」「ダイバーシティ」、そのどれもが一筋縄ではいかない課題ばかりです。実態を見て施策を工夫しながら様々な取り組みを続けて、効果が得られたと評価できるまでには何年もかかります。

 しかし、すべての課題はどこかで必ずつながっているので、まずはどこかを入口にして取り組みを始めれば、必ず事態は動きだします。


 もしも解決しなければならない課題があって、それを「どこから手をつければよいかわからない」と躊躇しているのであれば、とりあえずどこかに手をつけて、取り組みを始めてみることが大切です。特に人事の課題は芋づる式につながっています。まずは行動を始めてみることが重要です。



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