今月の小雑誌『PHPスペシャル』の特集は「うまくいっている人の頭と心の整え方」。私の連載『働く女性のための相談室』のお悩みは、コロナ禍で感染予防の意識に乏しい職場でストレスに感じているというもの。
新型コロナに関しては、受けとめ方が人によって全然違うので、きちんと対策している人にとって、同じ職場に大雑把な人がいるとストレスになるのは想像に難くありません。
また、職場によって在宅ワークの取り入れ方がまったく違っていて、私のクライアントの方でも、ほぼ1年ずっと在宅ワークだった方、フル出社のままの方、飲み会を禁止されている方、自主的に外食をほとんどしていない方、あまり生活を変えていない方まで本当にさまざまです。
1回目の緊急事態宣言のときは在宅ワークにした会社も、その後元に戻ってしまい、そのままという話もよく聞きます。
私の印象では、大企業ほど社会的役割もあって在宅ワークをはじめとしたさまざまな感染対策をしているようですが、企業規模が小さくなるほどトップの意識次第となり、ものすごく幅があるようです。
ただ、トップの意識がどうであれ、組織や管理職には法律で安心安全な職場環境を提供しなければならないという安全配慮義務が課せられています。つまり、雇用者は国に守られているということ。だから、もしあなたが同僚や職場の感染対策に不安を感じているのであれば、勇気を出して上司や経営者層に相談してみましょう。
自分に権利があるのにがまんしてしまうのはもったいないです。何も言わない=権利を行使しない=権利を放棄する=Yesになってしまいます。がまんはたいてい報われないのです。
どう言っていいかわからない方は、ぜひアサーションを学んでみてください。きっと役に立ちます。アサーションで相談しても、従業員の安心安全に無関心無責任な職場であれば、最終的には見切りをつけるのも一案です。
大事なのは、すぐに辞めてしまわないこと。職場で問題があるときは、適切な立場の人に相談、異動の画策、転退職の順で動くことをお勧めします。自分なりにできることをやって次に進んでいくことは、自分の納得のため、自己肯定感維持のためにも重要です。
自己犠牲のがまんは美徳ではありません。報われずストレスがたまる一方です。無神経な人たちのためにがまんして消耗するなんて悔しくないですか。どうぞがまんのエネルギーを解決に向けて相談することに使い、被害にあっている自分を自分で守ってあげてください。
このコラムの執筆専門家
- 藤井 雅子
- (東京都 / 心理カウンセラー)
- メンタルエステ ココロの部屋
カウンセリングはココロのエステ
自分を好きになれない、自信がない、思ったことを上手に表現できない、人目が気になって仕方ない、不安やイライラで毎日が楽しくない、甘え下手・・でもどうしていいかわからない、そんな悩める女性たちを心から応援します。ぜひ一度ご相談ください。