「会社に求めるもの」が変わった - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

伊藤 健之
ユー・ダブリュ・コンサルティング 代表
経営コンサルタント

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「会社に求めるもの」が変わった

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社員のやる気がない「真の原因」
こんにちは。グランデコンサルティングの伊藤健之です。
早速、本題に入ります。

*(旧:働く前提1)ポストは増え続け、出世は当たり前
私が入社した頃(十数年前)を思い出してみると、
- 6年経てば、主任になって、
- そこから3年すれば、係長に上がり、
- 35歳には、課長を任され、
- うまくいけば40前後で、部長になれるはず
と本気で思っておりました。

当時、会社は増収増益でしたし、部門やポストも増え続けてましたから、
「今後も業績は伸び続け、会社は大きくなり、ポストは増え続ける」
と心の奥底で思っていたに違いありません。


*(旧:働く前提2)退職金や企業年金の手厚いサポートがある
「会社を勤め上げれば、充分な退職金がもらえ、年金などの手厚いサポートも受けられる」
ということを、両親を含め多くの年配者からよく言われました。
当時は若かったので、こうしたセーフティネットを意識したことはありませんが、大企業に所属
している満足感や優越感を感じていたことは間違いありません。


*(旧:働く前提3)会社のため=自分のため
先述したセーフティネットに守られ、出世階段を駆け上がっていくためには、
「会社のためにせっせと働き、豊かな社内人脈も築いていかねばならない」
と本気で考えていたので、上司に呑みに誘われれば、“二つ返事”でついていきましたし、
週末のゴルフの誘いにも積極的に参加してました。
まさに滅私奉公の典型的なサラリーマンです。

アフターのみならず仕事面においても、たとえ非合理・理不尽に思えるような仕事を指示さ
れたとしても、「忍耐力を養うチャンス」、「これも会社にとっては必要な仕事なんだ」と前向き
に捉えて、必死に取り組んでいたことを懐かしく思い出します。

「この会社のために働いていれば、幸せな将来が待っている」
「会社は、そうした人生をもたらしてくれる(保障してくれる)」
といった期待感や安心感が、「働く前提」に間違いなくあったんだと思います。


*働く人が抱く心理的な“前提”が変わった
私が若い頃に抱いていた「会社への期待」を同じように持っている人は、今では稀でしょう。

右肩上がりが当たり前だった企業の成長も横ばい、または衰退傾向でしょうし、コスト削減が
念仏のように唱えられ、人員削減、部門の統廃合、組織のフラット化により将来のポスト(夢)
は減る一方ですから。

こうしたビジネス環境の変化に対して、職場で働く人たちの心理は、
「ポストが増えないから、出世は期待できない」
「給料が上がり続けるなんて思えない」
「退職金は、もらえない(アテにできない)」
・・・
「結局、会社はアテにならない」
と変化してきており、十数年前までは当たり前のようにあった「働く前提」が大きく様変わりし
ているわけです。


*でも、変化についていけてないマネジメント
では、マネジメント側の従業員に対するスタンスはどう変わったのでしょうか?
働く人の心理面の変化に見合ったマネジメントスタイルの変革を行っている会社や管理職は、
まだまだ少ない、と感じるのは私だけでしょうか?

「俺の時代は、寝食忘れて工夫する時間を作ったものだ」
「定時で、なぜさっさと帰ってしまうのか」
「目標をどう達成するか、を考えるべきなのに、すぐにあきらめてしまう」
「自分が若い頃のような根性がない」
「現場に熱いものが足りない」
「すぐに”やらされ感”という言葉を口にする」
と、自分たちが若いころにもっていた精神性や働き方を、現場に求めていないでしょうか?

今の管理職の人たちは、若い頃、こうしたマネジメントスタイルの中で育ってきているため、
自分が管理職になっても“慣れ親しんだスタイル”から脱却できないのは仕方のないこと
なのかもしれません。なぜなら、そのスタイルしか知らないのですから。

しかし、今の環境に適応したマネジメントスタイルを築けないと、現場とマネジメントの心理的な
距離はどんどん離れていってしまいます。
マネジメントと現場の心理的キョリが離れれば、組織は元気を失くしてしまいます。


*「長い目でみると、安心」から「まさに今、楽しい」へ
「遠い将来まで安心・安全を与えてくれる」
「遠い将来に、やりたいことができる」
「大企業に属している優越感があるはず」
といった「組織への長期的な期待や満足感」で従業員を牽引していくことは、もはやできなく
なりつつあるので、
「今、この瞬間が楽しい」
「今、自己実現を感じることができる」
「今、仲間をつながり、仕事をすることでやりがいを感じる」
といった感情を働く人に抱かせるような演出がマネジメントに求められています。

つまり、働く人の心理面の変化を「甘ったれている」の一言でバッサリ切り捨てるのではなく、
その変化の先にある心理を先取りしたマネジメントスタイルへのパラダイムシフトです。

「会社が守ってくれる時代じゃなくなったから、自立(自律)しよう」
「市場価値の高い人財になろう」
「自分を磨くために勉強しよう」
「やっている人にはチャンスを与えるよ」

こうした今ありがちな会社からのメッセージは、先述した個人の心理的側面にミートしたも
のなのか、今一度、考えてみてもよいのかもしれません。

少々、噛み合っていないように見えるのは、私だけでしょうか。
みなさんは、いかがお考えでしょう?

グランデコンサルティングは、「活力みなぎる組織」の実現をお手伝いしております


会社へのスタンスが変わってきている一つのデータとして、以下アンケート結果が、NTTデータ経
営研究所から出ております。ご参考まで。
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NTTデータ経営研究所がビジネスパーソンに行ったアンケート調査によると、現在の会社で定年まで
働き続ける意向がある人は32.7%だった。年齢別にみると20歳代は11.2%、30歳代は31.6%、40歳
代は44.4%と、年代が上がるにつれ定年まで勤めるという割合が高まるが、50歳以上になると26%
に下がった。不況下で雇用の先行きに不安を感じている中高年が多いと同研究所は推測している。
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