- 榎本 純子
- 神奈川県
- 行政書士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
家族・夫婦に関わる本を最近たくさん読んで、それがちょっと形になってきたってところでしょうか。
浮気は文化なんて言葉が少し前に話題になったこと、みなさんも記憶されていることかと。
いまや出会い系サイトは花盛り、一億総不倫状態は言いすぎだけど、浮気してる人ってホント多い。
日本人の貞操観念はいったいどうなっちゃったのか、モラルハザードはなはだしい。
と嘆く前に。
そもそも、日本人に貞操観念ってあるんだろうか、あったんだろうか?
確かに、戦前の刑法では「姦通罪」なるものがありました。
旧刑法(明治13年太政官布告第36号)
第353条
有夫ノ婦姦通シタル者ハ六月以上二年以下ノ重禁錮ニ處ス其相姦スル者亦同シ
此條ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ其罪ヲ論ス但本夫先ニ姦通ヲ縱容シタル者ハ告訴ノ效ナシ
(夫のある妻で姦通した者は、六月以上二年以下の重禁錮に処する。その妻と相姦した者も同様とする。
本条の罪は、夫の告訴がなければ公訴を提起することができない。ただし、夫自ら姦通を認めていた時は、告訴は効力を有しない。)
by wikipedia
貞女は二夫にまみえずなんて言葉もありますよね。
ま、中国産のことわざみたいですが。
でも旧刑法ができたのは、もちろん明治になってから。
それ以前は、時代小説や歴史小説を読んでもわかるように、武家はともかく一般庶民にとって、ちょっと宿に泊まると飯盛り女なんていう一種の娼婦がいたりして、日本てかなりのフリーセックスの国。
武士だって、男は普通に妾を囲ってたりするわけで、「貞操観念」が要求されたのは武家の女だけだったのでは?
外出作家タマキングこと宮田珠己氏は、変な本を見つけるプロ。
この人が最近本の雑誌で始めた連載・ブックス墨瓦蠟泥加(めがらにか)で赤松啓介氏の『夜這いの民俗学・夜這いの性愛論』 という本を、2009年3月号で紹介されています。
それを読んだタマキングは、
(夜這いという風習は)ロマンチックな恋物語というより、それは、おっさんもおばはんも総登場の日常風景であり、同時に一大性教育の場であり、また厄落としの場でもあったりして、要するに村人総出でセックスしまくっていたらしい。
と書いています。
その『夜這いの民俗学・性愛論』自体は読んでいないので、引用の引用になってしまいますが。
子供ができたとしても、だれのタネのものかわからず、(中略)大正初めには、東播磨あたりのムラでも、ヒザに子供を乗せたオヤジが、この子の顔、俺にチットも似とらんだろうと笑わせるものもいた。夜這いが自由なムラでは当たり前のことで、だからといって深刻に考えたりするバカはいない
らしいです。
エノモトはその東播磨出身なのですが、そういえば高校の同級生が参加してた祭りでは、おじいちゃん達いわく、「ワシらが若い頃は祭りの日は何をしても良かった」らしく、その名残か、男子は15歳ぐらいからその祭りに参加するのですが、腰に木でできた男根をぶらさげているわけです。
いつごろからダメになったか。
これはホントかウソかわかりませんが、昭和30年ごろまではOKだったとも。
そう考えると、日本人にはそもそも貞操観念なんてなかったんじゃないか、と思うわけです。
シリーズ続きます。
続きは 「神」の存在 クリスチャンの貞操観念
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