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注意が必要な「弱い人」にだけ「強い人」

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 相変わらずのことですが、女性、子供、高齢者、障害者など、社会の中では一般的に弱者と言われる人たちが被害を受ける事件がよくあります。

 高齢者への暴力や子供の虐待といったことは常に報道されますし、SNSでの誹謗中傷や店舗スタッフへの過度なクレームといったことも、弱者に向けた攻撃行動という点では共通しています。

 

 こういう行為をする人たちを見て私がいつも思うのは、相手が男性であったり、体が大きかったり、力が強そうだったり、権力を持った人だったりしたら、果たして同じようなことをしたのだろうかということです。

 結局のところ、相手の力が弱い、楯突かない、自分は危害を加えられない、安全、負けないといった確信のもとに、こういう行動をしているはずです。詳細に計画していることも、瞬間的にキレていることもありますが、どの場合でも自分よりも強そうな相手にチャレンジしていることはありません。

 犯罪行為かそうでないかに関わらず、自分との関係における弱者に対して、軽く扱ったりないがしろにしたりすることは、最近増えている印象でとにかく不快に感じます。

 

 強者と弱者の間での似たような行為は、会社組織の中でもあります。そのほとんどは上司と部下の関係の中でのことです。

 私が実際に見かけたことがあるのは、上司が自分のミスを隠すために部下の報告を口止めしていたり、部下を威圧して自分への反論を抑え込んでいたり、不適切な経費使用を部下も巻き込んで隠蔽していたりということもありました。

 

 そして、この手の話で共通していたのは、部下に対して威圧的であったり一方的な要求をしていたりするような上司は、さらに上の自分の上司に対しては、みんな腰が低くて素直で従順だったということです。

 自分よりも権限を持った「強い者」には、反抗せずに従順でゴマすりさえもいとわない一方、自分の部下など下の立場の「弱い者」には、威圧的な態度を取る傾向が強くありました。上から見ると良い部下でも、同じ人を下から見ると最悪の上司だったりするのです。

 

 このように、自分にとって「強い者」と「弱い者」で態度を変える人は、特に上司の立場からすると、起こっている問題が見えづらくなります。

 自分にとって好ましい接し方をしてくる人に対して、信頼度は当然増していきますが、その人が部下に対してどんな態度を取っているかは、当事者である部下からきちんと話を聞かなければわかりません。また話を聞いたとしても、上からの威圧のされ方によっては、報復を恐れて本音を話さないこともあります。話すことによる不利益がないことを保証しなければ、なかなか本当のことを聞き出すことはできません。

 

 上下関係に敏感な人は、「強い者」か「弱い者」かによって態度を変え、上には媚びてごまをすり、下には威張って権威を乱用する傾向があります。上司にとっては良い人材でも、部下に対して同じような態度で接しているとは限りません。

 

 「弱い人」にだけ「強い人」には、十分に注意しなければなりません。

 

 

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