公定価格である介護保険② - 経営コンサルティング全般 - 専門家プロファイル

株式会社アースソリューション 代表取締役
東京都
経営コンサルタント
03-5858-9916
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:経営コンサルティング

寺崎 芳紀
寺崎 芳紀
(経営コンサルタント)
寺崎 芳紀
寺崎 芳紀
(経営コンサルタント)
寺崎 芳紀
(経営コンサルタント)

閲覧数順 2024年04月18日更新

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

公定価格である介護保険②

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 経営コンサルティング
  3. 経営コンサルティング全般

こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。


今日は「公定価格である介護保険」の2回目として、私が考えることを書かせていただきます。


前回にも申し上げたように、介護サービスは国が定めた法律・基準・報酬に基づき、提供されています。

サービス提供事業所は数十万箇所に及びます。

高齢者の増え方が尋常でないゆえ、しばらくは需要過多となって、サービス事業者にとってはある意味ビジネスチャンスとはなるでしょう。

それは、それは高齢者需要が大きいという意味においてですが・・・


公費で賄われておりますので、厳格に運営しなければならないのは当然です。

「介護保険制度の適正化」というのは、運営する側としては窮屈極まりないですが、これは制度の性質上仕方がないことです。


しかし、それでも自由度が低い上に、そもそもの報酬が高くない。報酬改定は3年ごとに行われますが、実質的に報酬は下げられています。前回はプラス改定でしたが、処遇改善加算の拡充以外は実質マイナスです。


前回、医療保険との比較についてお伝えしました。


同じ公的保険なのに、介護保険サービスと医療保険診療では、全く違う。

医療機関では、基本的に給与が安いという問題にはなりません。

しかし、介護業界の給与水準の低さは、もはや誰でも知っている話です。


医療保険の場合、入院病棟を持つ病院以外は、定員がありません。

入院病棟であれば、許可病床数が決まっているので、基本的に超過受け入れはできません。

しかし、それ以外は上限がないので、青天井であります。人員の基準はありますが、介護に比べれば非常に緩いです。


訪問看護や訪問リハ、通所リハサービスを保険医療機関が行う場合、「みなし指定」といって非常に緩い基準でサービス提供ができます。

保険医療機関でない、いわゆる民間会社等が指定を受ける場合は、指定申請をしないと通りません。

例えば訪問看護の場合、指定訪問看護ステーションの場合は「常勤換算で看護師2.5名以上」となっていますが、みなし指定の訪問看護の場合は「相当数」となっています。2.5名揃えなくても指摘はされません。


このように、医療機関にはいろいろ優遇されている部分があります。


基準を厳格にすること自体は、まあ仕方がないこと。

しかし、私は介護保険制度が医療保険に比べ、格差があリ過ぎるような気がしてならないのです。

同じ公的保険なのに・・・


医療には、「医師会」というものすごく強い組織があります。

いわゆる利益団体は、医療だけでなく様々な業種に存在しますが、医師会の力は非常に強い。

政治に圧力をかけることができる存在ですから。


しかし、介護にはそれがない。非常に力が弱いのです。


介護関連の利益団体が、政治にモノが申せる位の力を持たなければ、ことは動いていきません。

最近、若い力を発揮が結集し、介護関連の団体が政府に陳情したりするケースが出始めました。

非常に良いことだと思います。


介護の利益団体は、もっともっと政府にモノを申していかなくてはならない。及び腰ではいけません。

そして、介護業界で働く方も、医師や看護師に負けない位勉強して、力をつけていかなくてはいけません。


それから、介護保険サービスに依存する経営は、今後厳しくなると思います。

経営資源をどこに集中投下するのか、介護事業会社の企業ドメインをどこに設定するのか。

経営者の判断が問われるでしょう。


経営者によっては、介護事業を撤退するという意思決定をする方も出てくるでしょう。

全く不思議なことではありません。


あるいは、事業の多角化を展開し、事業の柱を作る。

保険外サービスを展開している事業者も多いですが、そのウエイトを高めることも必要かもしれません。


公的保険は、手堅い反面規制が厳しく、限界がある。

人員の縛りにとらわれない、独自のサービスを真剣に打ち出す時期に来た。そう言っても過言ではないと思います。




 |  コラム一覧 | 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 経営コンサルタント)
株式会社アースソリューション 代表取締役

介護事業所の開設から運営まで、オールワンでお手伝いいたします

有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。

03-5858-9916
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

このコラムに類似したコラム

専門特化するということ 寺崎 芳紀 - 経営コンサルタント(2021/02/19 08:00)

2021年度介護報酬改定について~訪問介護~ 寺崎 芳紀 - 経営コンサルタント(2021/01/26 08:00)

訪問介護の通院等乗降介助 基準緩和へ 寺崎 芳紀 - 経営コンサルタント(2020/11/06 08:00)

現場に出る社長 寺崎 芳紀 - 経営コンサルタント(2020/10/27 08:00)

これからの介護③ 寺崎 芳紀 - 経営コンサルタント(2020/10/21 08:00)