社長が社長であるために - 事業・企業再生戦略 - 専門家プロファイル

新納 昭秀
新納ビジネスマスターズ有限会社 代表取締役
東京都
経営コンサルタント

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対象:事業再生と承継・M&A

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社長が社長であるために

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皆様、はじめまして!

ビジネスの軍師:新納昭秀です。

このたびは、御縁がありまして、こちらのサイトに登場となりました。
この場を借りまして、関係者の皆様に御礼申し上げます。

私、今から9年前の2000年の2月29日(うるう年)に
コンサルタント業を開業し、明日から10年目に突入するところであります。
本当に何の操作もしておりませんので、これも何かの運命なのでは?
と勝手に解釈し喜んでおります。

つきましては、末長くよろしくお願いいたします。

さて、昨秋から始まった世界同時株安に端を発する大不況、
多くの方々が何らかの影響を受け始めたところではないかと思います。

私のクライアント様で、米国製品の部品に関する製造関連業のケースは、
最悪のパターンでした。10月〜11月にかけて全体で50%以上の受注取消
となり、向こう3年以上も生産ストップ。以後、大量リストラも行い、
泣く泣く100人以上の社員を解雇しました。となると、
私のコンサルティング内容も緊急スクランブル体制で、
「大量リストラのノウハウを・・・」ということに。

地方の企業城下町でもありましたので、歴史的な流れも含め、
ご近所さんや親戚縁者も入り乱れるような“人間関係重視”の風土。
誰しも逃げ出したくなるような状況で、

「メディアで紹介されるような、郵便や通達だけで解雇するような
 冷たい取扱いだけはやってはならない!」

と訴えました。もちろん、限界までのワークシェアリングを進めた上での
最終判断でした。

思い返せば、マンツーマンの解雇面接が始まる直前のクライアント様との
深夜のやり取りは、凄まじいものがありました。

「もうダメだ。」
「死んでしまいたい。」

気弱になってしまった時間帯は、
極めて細いピアノ線の上を歩いているような感覚での対応。
東京と地方の距離は、まったく感じられないやり取り。

そこで私から、

「社長が社長であるためには、今、社員たちを残して船を降りるべきですか!?
それとも、最後の一人が降りる姿を見届けるまで、残るべきですか!?」

そんな質問を投げ返しました。

二人で泣きながら、話し会い、メールを打ちました。
忘れられないような夜が続きました。


そして、腹は決まりました―。


涙をこらえ、対象の社員に一人ひとり頭を下げ、

「いつの日か、もう一回帰ってきてくれ!と言えるように頑張るんで、
 許してくれ・・・。」と。

切られた側も大変ですが、切った側も大変でした。

いや、凄まじかった。。。

その社長様、30代後半と私よりも若い方なのですが、今現在の切り盛りには、
特別な風格さえ漂います。そんな誰もができないような凄まじい体験を
したことで、人物として突き抜けた魅力を発しているかのようです。

もちろん、これからの経営を短期間で安定させることは難しいでしょう。
がしかし、覚悟を決めて、修羅場を乗り越えた体験によって、
自身の器を大きくしとことは間違いありません。以後、これまでに無い
逞しさを持って、事に対処していくと確信しています。


失うものもあれば、得るものもある。


確かに凄まじい大変革期ですが、
卑屈になる必要なんぞありません。

何かしらのプラスもマイナス部分の裏側に潜んでいます。

こんな時代だからこそ、自分自身を高める場面が
ゴロゴロ転がっているのではないかと思います。

「あれは嫌だ!これは嫌だ!」

なんぞ、言ってはおられません。

最も大事なことは、変化に対して、如何に適応するか?です。

氷河期に絶滅した恐竜たちのようなスタンスではなく、
変化に適応して生き残った小動物のようなスタンスが必要でしょう。

置き換えてみれば、私たちも変化に適応しなければなりません。
プライドを捨て、勇気を持って変わることを恐れない。

そんな会社経営が必要な時代なんだと思います。


企業理念ドットコム代表
新納ビジネスマスターズ 代表取締役 新納昭秀