「病院で椎間板ヘルニアと診断されたんですけど・・・」
と説明させる患者様です。
診断をどうこう言うつもりはないですが、「腰痛と椎間板ヘルニアは、必ずしも一致しないですから、お役に立てる可能性は充分ありますよ。」と説明します。
というのは、臨床経験からそう確信するところもあるのですが、裏づけにこんな研究データもあるからです。
1995年にBoos Nによって発表された研究で、強い症状を訴える椎間板ヘルニア患者46名と、年齢、性別、職業などを一致させた健常者46名の腰部椎間板をMRIで撮影し、内容を知らない2名の神経放射線医が読影しました。また、事前に心理社会的側面を探るためにアンケートを実施しました。
その結果、健常者の76%に椎間板ヘルニアが、85%に椎間板変性が認められ、椎間板ヘルニア患者と健常者の間にヘルニアのタイプの差はなかったのです。
そして、同時に行ったアンケート調査から、仕事に対する姿勢(心理的ストレス、集中力、満足度、失業)や心理社会的因子(不安、抑うつ、欲求不満、夫婦関係)が危険因子が、痛みと相関関係にあったと結論付けました。
ちなみに、この研究は、腰痛研究のノーベル賞と言われているVolvo賞を受けた世界的評価の高い研究です。
日本の腰痛関連の医療従事者は、知らなくてはいけない必須の研究です。
しかし、どれだけの医療従事者が、正しい情報をしっかり発信しているのでしょうか・・・残念ながら患者自身が見極めなくてはいけないですね。
山中英司
このコラムの執筆専門家
- 山中 英司
- (カイロプラクター)
- 陽開カイロプラクティック
「体は心の鏡」 体の解放は、心の解放からはじまります
臨床を通して痛感することは、体は心の鏡のような存在だということ。様々な症状の裏には、もう一人の自分からのメッセージが隠されています。カラダを診るプロフェッショナルとして、クライアントの心とも真剣に向き合うことを信条にしています。
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