- 寺崎 芳紀
- 株式会社アースソリューション 代表取締役
- 東京都
- 経営コンサルタント
-
03-5858-9916
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
こんにちは!株式会社アースソリューションの寺崎でございます。
先日執筆いたしましたコラム「2040年問題」について、第2弾の投稿です。
前回と少し重複してしまいますが、いわゆる2025年問題から、今度は2040年問題が深刻化するといわれています。
総務省統計局のデータによると、日本の人口は現在約1億2,600万人弱だそうです。
統計を見て改めてゾッとしたのですが、ここ10年位でも日本の人口は下がりっぱなしの状況。これからも下がり続けることは必至で、2040年には1億1,100万人にまで減少するといわれています。
現役世代の人口も2千万人近くにまで減り、増え続ける高齢者1人を、1.5人の現役世代が支えるという状況となります。
今般の新型コロナウイルス感染症拡大により、国民生活や経済が大打撃となってしまいました。ピークは過ぎ、少しは落ち着いてきているようですが、一度ダメージを受けたら簡単には元に戻りません。
高齢者を今後支えていく貴重な現役世代の中には、コロナの影響も手伝い不安定雇用者・失業者も今後出てくることでしょう。現役世代も自分たちの生活が苦しくなり、労働生産性の増加に貢献しにくくなってしまう可能性があります。
先日も書きましたが、介護業界は不況時のセーフティーネットと言われ、不況になると介護業界への求職者が増えるのが常です。国も積極的に推進してきます。
確かに、求職者が流入すること自体、悪いことではありません。むしろ喜ばしいことです。
しかし、「就職難だから介護に」という甘い考えで応募する人に、まともな方は少ないと思います。私も過去、数百人の求職者を面接してきましたが、ほぼ間違いなく言える傾向です。考えが甘いので、すぐに音を上げて辞めます。その方の教育研修に費やした時間と労力は水泡に帰す、というわけです。ただでさえ人材不足で忙しい中、新人研修をしてもすぐに辞めてしまうことほど、虚しいことはありません。こちらの問題もあったと思いますが、とにかく忙しい中でどうにもならないこともありました。
そういう状況にさせないためには、やはり介護人財に金銭で報いてあげることだと思います。
社会保障費がさらに増大して厳しいのはわかります。それでもやらないとどうにもなりません。
今、「介護職員(特定)処遇改善加算」というものがあります。これは、毎回報酬改定があるたびに増額になっており、国も介護職員の待遇改善については必要性を認識していることから、次回改定でも加算率はプラスになることが予想されます。
しかし、加算の対象が基本的に介護職員に限定され、多職種には及びません(特定加算は一部多職種への配分を認めている)。ですので、恩恵に預かれない職種の方もいるわけです、
また(これは仕方がないことなのですが)、この加算は介護職員の給与アップのためだけに使えるものです。それ以外の目的に使用することはできず、万一発覚した場合は不正請求となり返還指導となってしまいます。
2040年問題を解決することは、簡単ではありません。
やはり、肝になるのは、介護サービス事業所への報酬改善です。
個人的な考えですが、介護職員(特定)処遇改善加算の使途をさらに増やし(できれば基本報酬も上げてほしい)、かつ使途も拡充させてほしいと考えます。
介護職員の処遇改善はものすごく重要なのですが、それだけでなく、生活相談員、事務員等にももう少し柔軟に振り分けられる仕組みを作っていただきたい。
さらに、一番大事なのは金銭的待遇を充実させることでありますが、処遇改善加算の考え方の中に「キャリアパスの充実」が掲げられているのですから、事業所がスタッフさんに行う教育研修にかかる費用も、当該加算の対象にしてほしい。こんな風に考えます。
ますます増え続ける高齢者を支えることを、家族だけで行うのは不可能です。
何といっても、介護サービスが果たす役割と責任は重大だと思います。
もちろん、不正をする事業所にはレッドカードを提示しなくてはなりませんが、そうでない大半の事業所が疲弊しないうちに、スタッフが安心してやりがいを持って介護のお仕事に従事できるように、早急に誠意日しなければならない。それをなくして、2040年問題を解決することは絶対にできないと思います。
このコラムの執筆専門家
- 寺崎 芳紀
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- 株式会社アースソリューション 代表取締役
介護事業所の開設から運営まで、オールワンでお手伝いいたします
有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。
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