コロナ禍でサラリーマンに人気の投資マンションはどう変わる？？【不動産投資の曲がり角】

サラリーマンに人気の投資マンションはどう変わる？（その１）

ついこの前まで、「老後資金2,000万円問題」が結構な話題となりましたが、その話題を機に老後の資産を作る意味合いで多くのセミナーが開催されていました。

中でも、ファイナルプランナー（FP）が講演する資産運用等のセミナーは活況でしたが、そんなセミナーに参加して投資マンションを何戸も買ってしまったサラリーマンがいます。

本来は、「老後資金の確保をどうしたらいいのか」という素朴な疑問でセミナーに参加したはずですが、どういうわけか投資マンションを買ってしまったのです。

そもそも、そうしたセミナーでは参加者に主催者の持っているバック商品を買わせるという最終目的が存在しているのですが、それを全面に出すとバック商品は売れません。

例えば、投資マンション購入のセミナーと謳っても、素人目から見ても不動産投資という怪しげな影が見えますが、FPが講演するセミナーで、しかも老後資金の話となれば、それなりに集客ができます。

したがって、投資マンションを売る不動産会社はこうしたセミナーを活用することが、自社の取扱うマンションを買ってもらうには一番の近道というわけです。

FPのセミナーに参加して投資マンション購入？？

そんなセミナーに参加して投資マンションを複数戸買ってしまったサラリーマン、仮にAさんという方の話をしましょう。

Aさんは50歳台で大手上場に勤めるサラリーマンで年収も約900万円ほど。

そんなAさんは老後資金の話題を聞いて、将来の不安を払拭できるかどうかなど、多くの疑問を抱いていたそうです。

そんな最中、あるセミナー広告が目に止まり、参加してみることにしました。

セミナー会場では数十人の参加者がいたそうで、割と盛況な会場であったようです。

セミナーの内容は老後資金をどうやって作るかとか、退職後にどのくらいの金額があれば生活苦にはならないなど、概ねはセミナーの趣旨で進められていました。

セミナーの後半になり、隣にセミナーの主催会社か協賛会社の人が座り、後半の話を聞き始めました。

その中味は老後資金の確保には投資マンションを買っておくことがオススメという話になり、その場ではなるほど、その手段も悪くはないなと感じたのです。

そうこうするうちにセミナーは終了し、個別相談会と称して先程、隣に座っていた人の話を聞くことになります。

後々考えると、セミナー終了時にさっさと帰ればよかったと後悔の念が・・・

個別相談とは聞こえがいいのですが、要は投資マンションのセールスを聞く羽目になってしまったのです。

話を聞くうちに非常に説得力のある内容で、まあ1戸ぐらいは持っていてもいいかなという雰囲気になりました。

その場ではいくつかの物件を紹介されましたが、日を改めて話を聞くことになりました。

この先は概ね読者の方も気が付くかと思いますが、まんまとセールスの話を鵜呑みにしてマンション購入となったわけです。

セールスの話を聞けば聞くほど投資マンションを複数戸持っていた方が退職後に年金のプラスになりますと・・・

そんなわけでAさんは3戸、トータルで約8,000万円近い投資マンションを買ってしまったのです。買ってしまった物件は一応、都23区内ではありますが、プロが見れば買った値段に見合うようなものではありませんでした。

購入してから数ヶ月後に、買ったマンションの中身をよく精査してみると、毎月の持ち出すお金がセールスの人から聞いていた金額よりも多いことに気づいたのです。

これでは、どう考えても持ち出すお金が多すぎると思い、マンションを売った会社を訪ねたのですが、担当者はすでに会社を辞めたとのこと。

買ったときと説明が違うといっても、担当者が不在だからわからないといい、騙されたといっても不動産の売買には何ら法的な違反はありませんでした。

結局、この不動産会社とは話にならないということで、Aさんは悶々と日々を送っていたそうです。

クソ物件にカモられてしまうサラリーマン

Aさんような方は、投資マンションを売る不動産会社にとってはいいカモでした。

不動産会社から見れば、上場企業に勤めている人はローンも審査が通りやすく仕事が忙しい反面、こうした不動産投資をよく熟知してから買おうという時間はありません。

したがって、何らかの理由で投資マンションのセールスに会うと、Aさんのようにカモられてしまうというわけです。

このような内容で投資マンションを買ってしまうと、その出口がなかなか見えないケースがあります。

最終的には売却という方法しかないのですが、いつまでも保有していると自身の家計を圧迫することになります。

こうした投資マンションを売りつける不動産業者は、賃貸借契約もサブリースで行っています。

プロが見たら絶対に買わないという物件でも、何故かサブリース付きになっています。

これには理由があって、サブリースがついているとサラリーマンには安心という訴求力が生まれ、クソ物件でも形上が優良物件として見えるのです。

また、ローンの審査でもこのサブリースが付加されていれば、審査上もスムースに進むことが多いので、不動産業者にとっては一石二鳥なわけなのです。

つまり、クソ物件でも当面の間、サブリース契約を付加させて売りつければ、不動産業者にとっては何ら問題はないのです。

不動産業者は物件を売るのが仕事ですから、買ってもらった物件が儲かろうが損しようが関係はありません。

結果的には、ババを引き当てたのは買い手のサラリーマンだったということになります。（続く）

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