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日経株式訴訟、元社員同士の譲渡認めず

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発表 実務に役立つ判例紹介
17日15時34分YOMIURI ONLINEは次のように報じた。

日本経済新聞社の社員株主制度を巡り、元社員同士の株譲渡が
認められるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が17日、
最高裁第3小法廷であった。

堀籠幸男裁判長は、「日経新聞には、株主が売却する時には、
社員株主で構成される「日本経済新聞共栄会」が買い戻すルールがあり、
このルールは有効だ」と述べ、元社員2人の上告を棄却した。
元社員間の株譲渡を認めない判断で、日経新聞側の勝訴が確定した。

判決によると、元社員は2005年9月、保有していた同社株400株を
1株1000円で元論説委員に売却する契約を結び、同社に承認を求めた。
しかし、同社側は、「日刊新聞法などに基づいて株主は社員らに
限定し、株を譲渡する時には共栄会が1株100円で買い戻すことに
なっている」と拒んだため、2人は、元論説委員が株主であることの
確認などを求めて提訴した。




一見すると、従業員持株会をもつ会社や同族経営の中小企業にとって、
朗報とも言える判決が確定した。

ただし、時事通信17日17時30分ネット記事によると、
最高裁の判断理由には、
同社の譲渡ルールについて、日刊新聞法に基づく社員株主制度の維持が
目的であり、従業員に株の取得を強制していないこと、
配当が行われていること、等の理由から、合理性があり、公序良俗にも
反しないとされているようである。

つまり、判決をただ結果だけを見ていると、従業員持株会を通じて株を
取得している従業員に対して、株を手放す時には、従業員持株会が
買い取るというルールが認められたように見えるが、
実質は、特別法により社員株主制度が要請されているから、
従業員持株会が買い取るルールが有効とされたようなのである。

したがって、この判決が一般の会社にそのまま通用する可能性は
低いと言わざるを得ません。


それではなぜそんな記事を紹介するのか。



この文章は判決文を確認せず、新聞記事に基づいて書いていますが、
こういうやり方で判決のもつ意味を考えるのは、非常に危険なんですね。

判決文を読んでみると、表面的に見える内容とその前提条件等が
全く異なっている場合も多く、判断を誤る可能性も秘めています。

私自身、税務調査の現場で、ある判決文の読み方に誤りがあったことを
調査官に指摘されたことがありました。(06年M税務署)

この時は、判決文自体を確認していたのですが、
思い込みもあったのでしょうか。
闘えるつもりで意気込んで攻めたつもりが
返り討ちに遭ってしまった事例です。

社長も納得の上での修正申告でしたが、非常に悔しい出来事です。

ここでも多くの事件を紹介していますが、
生の判例を読んでいない税理士があまりにも多く、
非常に危険な状況であることは間違いありません。

例えば、いわゆる平和事件最高裁判決(平成16年7月20日判決)が、
我々税務専門家に対して高い専門家責任を課してきたことは
記憶に新しいところであろう。

詳しくは、税法学554号(2005年11月)に発表した
拙稿「税理士の専門家責任」を見て頂きたいところですが、
判決は「当時の裁判例等に照らせば、被上告人の顧問税理士等の
税務担当者においても、本件貸付けに本件規定が適用される
可能性があることを疑ってしかるべきであった」として、
納税者に謝った税務指導をした税務専門家の責任を問うような
判決であったのである。
それも、誤った指導をした税理士の根拠となったのは、
大蔵財務協会発行の所得税実務事例集であり、その当時の
執筆者は、官職名も付していたものであった。
それでも、裁判例等に照らして判断することを要求されていることを
我々税理士は肝に銘じる必要があろう。

判例紹介に拘るのは、情報発信の必要とともに、情報のミスリードを
避ける必要が、職業倫理的にも求められているからである。

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