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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月22日更新

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誰がKnapp Family を殺した?- アメリカの今

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トランプアメリカの膿を暴き出す衝撃的なコラム (by Nicholas Kristof)がNew York Times に掲載されました。

これがアメリカの現状です。

 

日本の高校生のみなさん、これでもまだアメリカを目指しますか?

アメリカの学生自身も、こんな国では勉強したくないとカナダにやって来る時代です。

 

「Yamhill, Oregon州

 

労働者が多く住む町のスクールバス No.6 には幸せそうにはしゃぐ子どもたちが毎朝たくさん乗って来ます。

女の子の気を引こうとふざけたり、ゴシップに花を咲かせたり、にぎやかなこと。

みんないたずら好きで、自分たちの未来への希望に満ちていました。

1970年代のことです。

オレゴン州の田舎町で。

 

その中には、Knapp家の子どもたちも。

Farlan, Zealan, Rogena, Nathan, and Leylan Knappの5人兄弟。

聡明で、やんちゃで、将来への可能性を無限に秘めた子どもたちの父親はパイプ設置の労働者。

子どもたちの未来への希望を反映するに十分な収入もありました。

ちょうど住宅を購入したところに、一番上のFarlanの16歳の誕生日プレゼントのord Mustangに兄弟たちは「お〜〜!」「あ〜〜〜!」「すご〜〜〜〜!」と大騒ぎ。

 

2020年の今、No.6バスに乗っていた子どもたちの1/4はすでに死亡。

死因は主にドラッグ、自殺、アル中、無謀な事故。

あんなに陽気だったKnapp家の5人兄弟も、Farlanはアルコールとドラッグによる不全で死亡、Zealanは酔いつぶれたまま火事で焼死、Rogenaはドラッグが原因の肝炎で死亡、Nathan はクリスタルメスを作る途中に爆死。

Keylanはかろうじて生き残りましたが、その理由は13年間監獄に入っていたため。

 

No.6バスの他の子どもたち、Mikeは自殺、Steveはバイク事故の後遺症で死亡、Jeffは無謀運転で事故死、Billyは収監中に糖尿病で獄死、Kevinは肥満により病死、Timは建設現場で事故死、Sueは原因不明の死去、そして、Chrisha何年もアル中でホームレスで行方知れず、おそらく生きていない。

あとの二人のうち1人は監獄に、そして最後の一人はホームレス。」


 

これがアメリカ労働者階級の成れの果て。

まるで転移癌のようにアメリカ中を蝕んでいます。

 

アメリカの自殺率は第二次大戦以来最高値、7人に一人の子供の親は薬中、オピオイド中毒の母親から生まれすでに中毒状態の新生児は15秒に一人の割合で誕生。

 

アメリカが落ちて行きました。

 

世界の国の中で平均寿命が3年続けて短くなったのはアメリカのみ。

その自殺を”deaths of despair”(絶望の自殺)と呼びます。

 

戦後のアメリカ繁栄をもたらした労働者階級がじゅわ〜っと蒸発してしまったアメリカ。

アメリカ経済はそれら労働者を完全に置き去りにしたままほんの一部の金持ちだけを向いています。

その結果、ドラッグ、アルコール、自殺しか選べなくなった労働者階級。

 

No.6バスに乗っていた子どもたちもそのアメリカ社会大変動に巻き込まれ生活が崩壊。

仕事を失い、家族も崩壊する暗闇の中、政治は彼らを置き去りに。

生き残った者たちが、祈りを込めてトランプに投票したのが2016年。

トランプが助けてくれると思ったのか。。。

 

結果、今度はその暗闇に生きる労働者階級の子どもたち40万人が健康保険なしとなりました。

 

株式市場が活況を呈しても、社会の底辺に追いやられたアメリカ人には無関係。

苦しみは続きます。

これはオレゴンの田舎町だけの話ではありません。 この危機はアメリカ全土の話。

 

選挙期間中にもトランプはそんな労働者には無関心だったのに。

半分沈みかけているアメリカという船で、未だパーティーにうつつを抜かしているのはトランプだと言うことは明白なのに。

 

アメリカの癌を無視したまま、この秋トランプは再選されるのか、それとも新大統領が生まれるのか。

 

Knapp家の長男Farlanは木工細工が得意な少年でした。

将来は “Farlan’s Far Out Fantastic Freaky Furniture”店を開くことを夢見ていました。

しかし、9年生のあと、高校をドロップアウト。

40代で死ぬ前のFarlanは、ドラッグの日常摂取でほほが落ち込み弱々しい老人のようだったそうです。

 

科学技術の発達により、過激に変わった労働市場について来れなかった教育のない労働者たち。

アメリカ経済の労働生産性は世界でも非常に低いことは、それも原因。

高校も出ていなくても仕事があった戦後の夢にしがみついたまま、「絶望の自殺」しか選択肢が残っていないアメリカ人たち。

 

アメリカは妙な国。

貧乏なのは個人責任。 努力しなかった低級な人間だからと、国は面倒を見ることを拒否しています。

国民皆保険はなし、社会保障も限られています。

 

そのアメリカ労働者を更に追い込んだのが、自分たちが選んだ無能なトランプ。

”deaths of despair”が更に増加した結果となりました。

トランプを選んだことで、自殺しのと同じ結果となりました。

 

そしてイランとの確執。

ますます沈んで行くアメリカ。

そのアメリカを、北の地カナダからため息をついて眺めています。

 

テヘランからウクライナのキエフへのフライトがイランの誤爆により墜落しました。

乗客のうち63名はカナダ人でした。

今カナダ中が悲しみに包まれています。

 

移民難民を寛容に受け入れるカナダを選び移り住んだイランからの移民たちです。

カナダ社会で活躍していた人達です。

 

”deaths of despair”のアメリカ労働者が2016年にトランプに投票していなかったら、今も、今日のこの時間も生きていたであろう人達が死んでしまいました。

 

アメリカ。

 

これでもアメリカに留学したいですか。

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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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