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市原 真二郎
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閲覧数順 2024年04月17日更新

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「慢性疼痛」と「うつ病」について

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「椎間板ヘルニア」に限らず、「疼痛」ことに「慢性疼痛」は高頻度でうつ病」を併発します。「慢性疼痛」とは国際疼痛学会により「治療を要すると期待される時間の枠組みを越えて持続する痛み、あるいは進行性の非癌性疾患に関連する痛み」とされており、「慢性疼痛」の多くが外傷や疾病に起因する急性疼痛から移行した痛みですが、疼痛を誘発する刺激が持続的または断続的に存在するために生じる場合も含まれます。持続時間については一般的に「3ヶ月以上」とされていますが、コンセンサスは重要ではなく、痛みの原因が治癒した後も持続する疼痛を「慢性疼痛」とすことが妥当ではないかと考えられています。

そもそも「疼痛(痛み)」はその原因や状態により3種類に大別されます。「侵害受容性疼痛」とは怪我や火傷をしたときの痛みです。怪我をするとその部分に炎症が起こり、痛みを起こす物質が発生します。この物質が末梢神経にある「侵害受容器」という部分を刺激することで痛みを感じるため「侵害受容性疼痛」と呼ばれ、切り傷や火傷、打撲、骨折、関節リウマチや変形性関節症、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)などがあります。このような痛みのほとんどは、急性の痛みですが、原因のケガや病気が長引くと、慢性の痛みとなるものもあります(疼痛.jpより)。


「神経障害性疼痛」とは、何らかの原因により神経が障害され、それによって起こる痛みをいいます。帯状疱疹が治った後の長引く痛みや、糖尿病の合併症に伴う痛み、坐骨神経痛、頚椎症に伴う神経障害疼痛などがあります。傷や炎症などが見えないにもかかわらず痛みがある場合には、神経が原因となっていることがあります。

「慢性疼痛」の病態は極めて複雑で、中枢神経や末梢神経の疼痛制御の可塑性変化はもとより、心理・社会的要因などが関与している場合も少なくありません。すなわち「神経障害性疼痛」「心因性疼痛」とを明確に鑑別することは困難であり、むしろ両者は合併するという見地から心身両面から治療を行うことが望まれております。

現在医学では、依然として臨床検査で明らかな異常の発見できない場合も多くあります。原因が無く痛みを感じているわけではなく、脳に何らかの変化が起きている可能性があります。現時点ではまだ原因が明らかにされていない「線維筋痛症」に伴う疼痛もこの分類に含むと考えられております。全身の強い痛みやこわばり、睡眠障害、うつ状態などさまざまな症状が生じる病気です。脳の機能障害が原因と考えられており、(1)広範囲(右半身/左半身、上半身/下半身、体軸という身体の真ん中)の痛みが3ヵ月以上続いていること、(2)図に示した18ヵ所(圧痛点といいます)を指で押して、11ヵ所以上で痛むこと、が条件となります(同上)。


いずれにおきましても、最も効果的な治療薬は「抗うつ薬」「抗てんかん薬」です。主要な薬剤として紹介されているもののみ、和訳いたします。TCA:三環系抗うつ薬、SNRI:Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor, Duroxetine:サインバルタ(商品名、日本認可済)、Gabapentin:リリカ(商品名)

最も重要なことは、痛みを和らげることもさることながら、それに伴う心身の苦痛、生活の困難、家族や周囲の負担なども含め、包括的に「治療Cureと援助Care」を受療していくことでしょう。それには、医療のみでなく、地域・社会の公共・福祉サービスなど、利用されることをお勧めします。詳しくは最寄の保健所、福祉事務所へお尋ね下さいませ。



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