カナダ教師に懇願する留学生「英語コースをパスさせて下さい」 - 海外留学・ホームステイ - 専門家プロファイル

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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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カナダ教師に懇願する留学生「英語コースをパスさせて下さい」

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The foreign students often maintain their entire future depends on passing the English course.

「カナダへの留学生の将来すべては、英語コースにパス出来るかにかかっている。」(Vancouver Sun)

 

カナダに留学希望の日本のみなさん、この現実を知っていますか?

 

日本の高校を卒業し、カナダの大学留学を目指してやって来る人。

高校から留学し、そのままカナダまたはアメリカに進学する希望の人。

 

世界的にもレベルの高いカナダの高等教育機関を通り抜けるには、どんな形の留学でも”English course”にパス出来ない限り、そこで『留学』は破綻します。

 

高校留学であれば、難関のEnglish10, 11、そして州試験にも合格する必要のある超難関English12。

これらを高い成績でパスしない限り大学への道が閉ざされるどころか、高校卒業証書ももらえません。

 

大学からの留学であれば、まずは高いTOEFLスコア(iBTで90程度)が取れる英語能力がないと入学は不可です。

やっと所定の英語力が認められ、university/college(この2つはカナダの教育制度の特徴でアメリカとは全く異なります)で大学のコースを取り始めても、前述の”English course”が襲って来ます。

 

現地カナダの学生も必修の”English course” は留学生にはかなりの難易度。

カナダ学生でも失敗し、他のコース履修を認められず、ドロップアウトする場合も多いです。

 

このVancouver Sunの記事は、正にその”English course”で留学生に起こっている現実です。

 

難しすぎて”English course”にパス出来ない留学生が、カレッジのインストラクターに泣きのお願いをすることが多いんだそうです。

Vancouverにある大規模なカレッジ Langara Collegeの英語コースインストラクターが実名入(Peter Babiak, Anne Moriarty)で注意喚起しています。

 

“Veteran college English instructors are routinely receiving passionate, imploring pleas for passing grades from the international students who increasingly fill their classes.

The foreign students’ emotion-filled emails and in-office appeals, often issued in jumbled English, invariably aim to cajole faculty at Langara College and other institutions into giving them a break, so they will be able to move on from their mandatory courses in English literature.”

 

「カレッジのクラスの相当数を占めるようになって来た留学生たち。 その留学生から「English courseに合格させて下さい!」という熱のこもった懇願を毎日のように受け取るインストラクターたち。

メールで、また直接オフィスに乗り込んでのまるで泣き出しそうな懇願は、文法も何もかもごちゃごちゃの乱脈を極める英語でなされます。

Langara や他のカレッジをうまく丸め込み、「お情けを!」と”English course”への成績嵩上げを凝りもせずに頼み続けます。

そうでないと、大学で取りたいコース履修を認められない「必修English literature」から前に進むことが出来ないからです。」

 

現在BC州だけで130,000名の留学生が勉強中。

そこから落ちてくる授業料収入は受入れ側にはホクホクの金額です。

 

留学生の親たちは「こんなに高い授業料を払ってるのに」と、子供たちが”English liteture”の単位が取れない不満を、受入れカレッジに持っていきます。

留学生自身は、ストレスで潰れかけ、地元カナダの学生は増え続ける留学生に敵意さえ抱くようになっています。

 

”Like many faculty at universities and colleges, Babiak and Moriarty feel pressure to wave through the full-fee-paying foreign students, especially in mandatory first-year English literature courses, even if they lack fluency in English.”

 

「他の大学・カレッジも同様、English literature のインストラクター達は「高い授業料を払っている留学生」を甘い評価で合格させなければならないかも。。というプレッシャーを受けています。 “first-year Engish literature”は全学生に必須のコースですので、合格なしには前に進めません。 ところが、留学生たちはそもそも英語力が不足しているので、合格出来ないという穴に陥っている、これがカナダ大学留学の現実です。」

 

BC州政府は大学の教育を見張り、レベルを落とさないよううるさいし。

大学のadministrationは、がっぽがっぽ入って来る留学生と授業料に夢中。

英語力のないままやって来た留学生は”English literature”に合格出来ないストレスで悲惨な精神状態。

はるか海を隔ててヤキモキする留学生の親は「なんで合格出来ない!」と文句を言う。

 

そんな狭間で困っているEnglish courseのインストラクターの声です。

 

Langara でも、急激に増えた(特にインドから)留学生が、English courseの大部分を専有するようになったそうです。

特に大学レベルのコース1年生用のEnglish courseでは、literature と writingは相当の能力を要求されるレベルですが、英語力の十分でないESL留学生の数が増えたことで、まるで水で薄めるように指導レベルを下げてしまう可能性も出て来ています。

 

地元カナダの学生は大迷惑です。

その先に続く大学教育に絶対必要なEnglish literatureの能力をつける邪魔をされているようなものですから。

 

インストラクターにはまた別のプレッシャーもあります。

English courseを落とされた腹いせに、「インストラクター評価」(カナダでは大学のインストラクターを学生が評価出来るシステムがあります)でひどいスコアをつける留学生。

中には、「私を落としたのはインストラクターがRacistだからだ!」と訴えた留学生まで出て来る始末です。

 

さて、授業料欲しさに誰でも構わずエージェントの送り込む留学生を(特にアジアから)節操なく受入れ続けるか。

カナダの誇る高等教育レベル崩壊をそのまま眺めているか、それともどこかで歯止めをかけるか。

 

そろそろ内向きな爆発が起こりそうな無法地帯が「カナダ留学の実態」です。

 

日本のみなさん、カナダは将来への教育を受けるには絶好の国です。

自由主義の見本のような国です。

 

が。

「留学」は誰でもが出来るものではないことをよ〜く理解しておいて下さい。

日本で十分準備を重ね、カナダの高校レベルのEnglish literature & writingには問題なく対応出来る能力を付けてからいらっしゃい。

そうでないと、大切な大切な10代の時期を無駄にしてしまうことになりますからね。

 

Be Aware.

 

 

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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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