- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
カナダの高等教育制度が日本と大きく異なる点は、大学全体が個人の学生の目的に合わせた受入方法を提供してくれることです。
日本の大学は、すべて最初に枠と中身があり、その中にすっぽり入ってくる学生を選抜します。
入学時にも、まるで大学に宣誓を誓うかのように入学金を払い、年間授業料(?)という「みんな一緒の勉強」にお金を払いますね。
カナダの大学には入学金はありません。
年間の授業料という意味不明なものもありません。
大学生は一人前の大人、自分で自分の取りたい授業を選び、登録し、その単位数に合わせた授業料を各学期前に払います。
年間2学期制の大学と3学期制の大学とがあり、途中で学期を飛ばすのも学生の自由です。
授業の登録をしなければいいだけですから。
もちろん、授業料は発生しません。
戻りたくなったら、その学期の授業に登録すればいいだけというのもカナダの特徴です。
休学届とか何とかややこしいものもありません。
レベルが一様に揃っているカナダの大学では、大学間の単位互換が普通に行われます。
特に同じ州内でしたら、例えばBC州にはBC Transfer Guideというウェブサイトがあり、それで調べるとどの単位を取れば自分の編入希望の大学に移行出来るかがすぐにわかります。
州を超えての単位移行も、直接編入希望大学と交渉することで可能です。
アメリカの大学への移行も、交渉により可能です。
カナダの大学入学時には専攻を決める必要はありません。
もちろん、明確な目的のある学生は専攻を決め、特別なプログラムに出願します。
日本の大学に出願する時には「〜学部」「〜学科」などを決め、それも高校からへんてこな理系・文系という意味不明な分別をされている高校生には選択の幅が非常に狭いです。
「しまった!こんな勉強には興味がなかった!」と思っても後の祭りという失望感を味わう学生も多いのではと思います。
カナダの大学では、とりあえず自分の興味のある授業を取って行き、進んでいくうちに専攻を決める仕組みです。
それでも決められない場合は、タブル専攻といい2つ専攻することも可能、あるいは一つの専攻をMajorとし、もうひとつをMinorとしての学位を取ることも可能です。
わ〜〜〜カナダの大学っていいなぁ。
と思いますか?
では、日本人にとって困ることを今度は書いてみます。
卒業するのが非常に大変です。
授業自体の難易度も高く、クリティカルシンキング思考法を理解していない場合は成績も惨憺たるものになります。
エッセイスキル、分析しながら膨大なreadingをこなす能力も必須です。
非英語圏からの学生にはTOEFLなどの高いスコアが要求されるのはそのためです。
例えばバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学ではTOEFLiBT90以上が要求されますが、それでも授業についていくのには足りませんね。
高校までに、高いレベルの英語のreading/writing訓練を済ませた日本人高校生でないと、カナダの大学進学は砂上の楼閣と終わってしまいます。
つまり、日本の高校でもかなり高い成績を収め、英語の能力は群を抜いていること。
これが必要です。
「エージェントに頼ってとりあえず語学学校から始めよう」などという「カナダ大学進学夢物語」は全くの冗談であることもよく理解しておいていただきたいです。
話が前後しましたが、カナダには大学入試はありません。
アメリカのような共通テストSATもありません。
大学への入学は高校までの成績次第で許可されます。
特にEnglish12の最終試験の結果は大学が注目する成績です。
これが日本人にとっては最大の難関になります。
TOEFLの高いスコアが必要なのはこのためですし、カナダ大学進学を目指して高校から留学する生徒が大きくつまづくのがこのEnglish12です。
大学が受け入れてくれるだけの好成績どころか、パスする日本人留学生さえ非常に少ないということも認識しておいて下さい。
最後に、学費。
留学生には高いです。 カナダの学生の約3倍払います。
年々数%づつ値上げが行われているのも痛いところです。
そのために、入学時に定額学費制を選んだ学生には、卒業まで値上げなしの学費を保証する大学まで現れました。
アルバータ大学などが採用しています。
A.I.などで世界的にも名前の通った大学です。
留学生獲得の手段として打ち出したプランは:an engineering degree will cost $39,500 per year; a business degree $35,000; and an arts and science degree $29,500。
ただし、現在の実際の学費より年間$5,000~$7,000割高というのが腑に落ちませんが。
カナダ大学進学を考えているみなさんには、いい目安になると思います。
上記English12に自分の能力がどれだけ対応しているかを試したい方は、[English12 for Japanese Students]から。
Lesson Oneは無料Trialになっていますので、挑戦してみて下さい。
自分にはカナダ大学留学に足る能力があるかどうかが、すぐに判定出来ますよ。
Good Luck!
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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