- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
New York Timesに日本の皇位継承に関する記事が掲載されました。
“Japan will enthrone a new emperor. His wife won’t be allowed to watch.”
「皇位継承が行われる日本。 新天皇の妻は継承式を見ることが許されない。」
日本の女性差別はかなりの頻度で海外メディアに取り上げられて来ました。
女性の皇位継承、儀式出席への制限、また、日本に根強く残る女性への差別など、語れば切りのないことだらけです。
私自身も日本在住中、何十年もの間戦って来た差別ですが、今日取り上げたいのは異なる角度からの話題です。
日本の若者が海外へ海外へと出るようになって久しいです。
そんな若者たちは、外国、特に先進国から何を学んで帰っているのでしょうか。
日本が世界からどう見られているのか、真剣に感じ取り、考え、世界から来た移民や留学生と議論をして来たのでしょうか。
大きな疑問が残ります。
せっかく大金を使い、海外に来ても、世界が日本を見る目にふれることもなく、日本にいた時と同じ殻の中から外国を眺めているだけの若者たちを、はがゆい思いで見ています。
日本国内のみを向いていても、多角的視野は持てません。
客観的な見方をすることで、論理的な考えを持つことが可能となりますが、日本の若者が外国に来る目的はそこではないのかも知れません。
長年目撃し、多くの相談に応えて来た「カナダ高校留学」を例に取ってみます。
わぁ〜い!と「留学」という言葉の響きに魅せられやって来る高校生。
特に目的はないケースがほとんどです。
そして、あっと言う間に現実の厳しさに直面。
せっかく内向き日本から離れたカナダで、つるむのは同じ現実に直面した日本人留学生。
マシなケースでも、やっと話かけてくれたのは他の国から来た留学生。
お互いにたどたどしい英語で話すことに安堵感を見出すのでしょうか、今度はその殻から出ることが出来ません。
生徒は日本とのSNSに呆け、送り出した親も「帰国生入試が!」「成績が!」「単位が!」と、なぜカナダくんだりまで子供を送っているのかと不思議です。
自分の子供がどれだけ異常な10代を過ごす羽目になっているのか、気がつかないのでしょうか。
そして、カナダ側も日本の親子を同じ目で見ていることにも気がついていないようです。
日本からの高校留学生が「適当に扱っておけばいい」存在になったのも、日本の親の責任が大きいように思えます。
本来は、カナダで学ぶことを通じ、カナダの高校生との議論を通じ、日本を客観的に観察し自分の考えを作り出していく。
これこそが「高校留学」の目的であるはずなのですが。
「流行りの留学」に乗り、数えきれないほどの日本の若者が海を渡ったにしては、日本は変わる様子を見せてないようです。
変わるというより、若い考えが日本を進化させる原動力になるはずなのですが、そのかけらも見えないことが残念です。
New York Timesが引用している一橋大学教授のコメントです。
“I think there is a feeling among ordinary Japanese people that we have to change the system as the expectations of society change.”
変化をExpect(期待する)するだけで、誰かが何かしてくれるのを待っている “Go with the flow”なのかも知れません。
カナダに来る高校生留学生の姿勢とダブルのは偶然でしょうか。
Too bad.
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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