矯正治療と口腔習癖 - 虫歯治療 - 専門家プロファイル

増岡 健司
医療法人社団 MEDIQOL 理事長 歯科医師
東京都
歯科医師

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対象:一般歯科・歯の治療

赤岩 経大
(歯科医師)
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閲覧数順 2024年04月16日更新

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矯正治療と口腔習癖

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歯科の蘊蓄
 矯正治療とは、歯並びや上下のかみ合わせの異常を、本来の正しい形や働きにする治療です。つまり悪い歯並びを矯正装置などにより、その人にあったかみ合わせにする治療です。
 
一方、口腔習癖とは子どもたちが持つある種の癖(くせ)のことをいいます。一見すると全く関係のない言葉のように聞こえますが、実はこの口腔習癖と矯正治療の間には大きな関係があります。
 
多くの子どもたちはある種の癖を持っていても不自然ではなく、それによってかみ合わせなどに異常を引き起こすとは必ずしも限りません。しかし、この癖がひどく続く場合には、上下のかみ合わせ異常を生じる原因になったり、矯正治療中の歯の移動を妨げ、さらには矯正装置撤去後の後戻りの原因にもなります。
 

口腔習癖の種類には次のようなものがあります。
 
指しゃぶり、ゴム乳首(おしゃぶり)の常用、タオルや鉛筆をかむ癖、爪かみ、口呼吸、歯ぎしり、頬づえ、舌を無意識に必要以外の方向へ動かす
 
これらの中でも、指しゃぶりの発生頻度が高く、2 〜 6 歳でおよそ50%を占めています。
 

口腔習癖による影響
 
指しゃぶりやゴム乳首の長期常用は、上下の前歯が垂直的にかみ合わさなくなり奥歯だけがかんでいる状態の「開咬」や、上顎の前歯が前方へ飛び出して、下顎の前歯と垂直的にかみ合わない「上顎前突」、いわゆる出っ歯を引き起こす原因になります。
このような不正咬合の程度は、指をしゃぶった時期、頻度、強さ、骨の性質の個人差、上下の顎の前後的な関係などが影響しています。指しゃぶりの期間が長く、強く吸引するほど不正咬合の可能性は高くなります。
 爪かみは、歯で爪をかんだり、歯と歯の間にはさみ込んだりしますが、歯並びを悪くさせます。
唇を習慣的にかみ込んだり、吸い込んだりすることも、下唇の場合は上の歯が前へ出たり、開咬の原因になります。逆に上唇の場合はかみ合わせが上下逆の反対咬合を起こすこともあります。
 
この他にも口腔習癖が引き起こす不正咬合はいくつかあります。矯正治療はこれらの癖による不正咬合も治療しますが、治療中に癖が残っているために、治療が妨げられることも少なくありません。
 
口腔習癖は殆どの幼児が持つ癖ですが、気になる場合は歯科医院で相談されることも一つの方法です。