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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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外国人の目 -勉強が目的でない不思議な日本人留学生

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カナダと同じく国家を挙げて「留学生Money」獲得を国家ビジネスにと、躍起になっているオーストラリアからこんなコメントが聞こえて来ました。

少々世界の趨勢からかけ離れた日本人の「留学観」についてです。

“Historically, almost all Chinese students have entered Australia on packages with English language study as the means to an end. In contrast, many neighbouring East Asian countries, such as Japan and Korea, have valued English-only study in Australia.”

「語学プログラムから始まる留学パッケージでオーストラリアに来る中国人留学生のほぼ全員は、「留学」とはその先にあるゴール(学位取得、永住権取得、就職など)への手段だと考えている。 対照的に、日本や韓国は『語学留学』のみを見ており、「留学」を体系的な教育手段とは考えていない。」

 

うまいこと言いますね。

全く同感です。

 

以前にカナダのずいぶん僻地でも言われたことがあります。

「こんな山奥の寂しい所に日本人が来てたんですか?」と驚くような町に「カナダー日本プログラム」という看板を見つけて入っていった時のことです。

こう断言されました。

 

「日本人? 日本人は勉強には興味がないですよね。 遊びと観光が目的でカナダに来るのが日本人です。」

確かに。

否定など出来ませんでした。

正にそのとおりでしたから。

 

「英語圏に行けば魔法のように英語がしゃべれるようになる!」という信仰にも近い意識が強く、「語学留学」という不思議な概念が蔓延しているのが「日本人の留学観」を見事に現していると感じます。

 

より良い将来を求め、先進国へ留学する人の数が500万人を超えたそうです。

1990年には200万人だった数のものすごい増加です。

 

500万人の留学生は、一体自分たちの留学にどのように満足しているのかの調査結果を覗いてみました。

自分の留学経験を”very happy”と思えるための重要な5大要素は?

1. “making good contacts for the future” (Good contacts)

将来のために役立つ組織や人たちとの接触が多い

2.“learning that will help me to get a good job” (Employability)

将来良い仕事につくために役立つことを学んでいる

3.“the organization and smooth running of the course” (Course organization)

学んでいるコースが円滑に組織され、将来につながっている

4.“the social facilities” (Social facilities)

留学先の社会環境がよい。留学生にも使える設備がある。

5.“the design and quality of the campus buildings” (Campus buildings)

学校の建物のデザイン・質の良さ

 

トップ3の”Very happy”につながる理由は、すべて将来の就職に関することです。

「留学」で能力を付け・スキルを身につけることが将来への満たされた仕事と生活に直結しているという考え方です。

そして、そんな将来を手に入れる留学は、かなりの長期戦であり、1年や2年の短期お遊び遊学ではどこにも行けないことをよく知っている考え方です。

従って、受入側としては”Employability”を全面に押し出した受け皿作りを重要視している現在の留学事情と言えます。

 

日本の場合。

ネットに溢れる留学相談、エージェントの宣伝、個人的にお受けしている留学相談ではほとんど出て来ないポイントです。

「どこが入りやすいか」「どこが学費が安いか」「どの学校がランキングが高いか」などに要約される日本人留学希望者からの質問は、留学の長〜い先にある自分の将来への計画は見えて来ません。

「帰国生入試の方が簡単だから」「英語が話せるようになりたかった」などの理由も、その先にある将来への目的が見えません。

 

この20年ほど大流行の、大学・高校からの短期留学制度に至っては、コラム最初のオーストラリアからのコメントどおりですね。

「日本人は『語学留学』のみを見ており、「留学」を体系的な教育手段とは考えていない。」

 

結果、受入側としては、特に勉強意欲があるわけでもなく、留学時の英語能力も高いわけでもなく、留学終了時の成果などは問題でもない日本人留学希望者を、全く別枠で扱うようになって行きました。

カナダの高校留学でみられ受入側の態度が正にそれに当たります。

 

授業についていけるかいけないかなどは関係ない。

カナダで楽しい経験をしたいのが日本人留学生の希望なので、適当に簡単なコースにいれて遊んで帰ってもらうことにしよう。

「日本人高校留学生」をこんなカテゴリーで分けてしまうようになったのが、現在の「カナダ高校留学」です。

 

大学については、入学基準のTOEFliBT90レベルに到達する日本人の絶対数が非常に少ないこともあり、優秀な日本人大学留学生は周りの良い影響を受け、自分の将来を長い目で見ながらの堅実な留学になる可能性が高いのは朗報です。

私の教え子たちも、カナダ大学正式留学から得たものは非常に大きいです。

 

各国別のリストです。

留学生たちは留学先のどんな要素を重要視しているのか。

 

もちろん、このリストには日本人留学生は仲間にいれてもらってません。

現在の英語圏では、日本人留学生はいわば「お客さん」。

大学や高校のプログラムで団体でどっとやって来て、特に何をするわけでもなく、どっと帰って行く。

そんな存在だからかも知れません。

 

留学を希望している日本のみなさん。

「留学」が”Very happy”な結果になるには、どんな3つの要素が必要ですか?

まさか、「カナダの友達がいっぱい出来る」な〜んて答えではないことを期待したいです。

 

「留学」とは?

よく考えて見て下さい。

 

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(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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カナダにいらっしゃい!

カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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