- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
「カナダに高校留学したものの、卒業が出来ない!」相談が多くなる時期です。
6月の州試験を控え、やっとことの重大さに気づく日本人高校生からの相談です。
留学前に、または少なくとももっと早く相談してくれたら道筋も一緒に考えることが出来たのにと残念です。
【質問】
こんにちは。私は今カナダに高校留学中です。今年で2年目になりますが卒業の目処が立っていません。カナダでは19になると高校に在籍することが不可能となるため来年がラストチャンスになります。
学校は私立で学費もかなり高いためもうここで留学をやめて日本のインターナショナルスクールに編入しようか悩んでいます。しかしカナダでここまで2年かけてやってきたことを無駄にするような気がするなど、なかなか選択できずにいます。
このままこっちの学校から卒業できたとしても行きたい大学に行けるかと言われたら厳しいと思いますし大学のことを考えると日本に戻った方が良いと思います。
ここで帰るのは情けないと言いますか、負けた気がすると言いますか…。 もうどうすれば良いかわかりません。
【回答】
まず、あなただけが困っている問題ではないことをお伝えしたいと思います。
現在カナダ高校に留学中の2000人余りの日本人高校生のうち大多数が陥っている問題です。
カナダ在住、1994年以来「高校留学したけど卒業出来ない」問題を目撃し、受入先、カナダ政府などから情報を集め、日本に向けて発信しています。
「カナダ高校留学の実態eBook」「カナダ高校留学受入学区調査結果」(日本人高校生をどこまで真剣に扱っているかの調査です。)
ご質問の順に回答していきますね。
(留学中の州がわかりませんので、一応留学生の多いBC州を基準にお答えしています。)
1.卒業の目処が立っていないということは、おそらくEnglish12の単位取得の見込みがないということだと思います。
English10, 11などは、各学校の英語教師の裁量により多少不公平な温情成績がつくこともあります。
そうでない場合の方が多いですが、特に私立の学校では外部からの評価を上げるために下駄履き成績をつけることもあるのが残念な事実です。
ところが、English12ではそうはいきません。
最終成績は授業の成績と州試験の合算で決まりますし、各生徒すべての成績は全国に公表され、学校の評価基準にも使われます。
結果、留学生をEnglish12に上げるのをかなり躊躇する学校が多いですし、English12の授業成績が芳しくないと州試験は受けさせてもらえないこともあります。
下駄履きの授業成績をつけてもProvincial Examの成績が悪いと合格出来ませんし、授業成績とProvincialの成績との差が大きいと学校が調査されることになり、学校の評価も大きく下がりますから。
2.カナダの私立高校で学んで2年目ということですが、どのような私立高校に在学中かによりEnglish12への対応は変わります。
BC州の私立高校でEnglish 12 Provincial Exam成績で上位にいるのが下記の学校です。
York House, Crofton House, Southridge, St. George’s, West Point Grey, Little Flower, Brentwood, St. Machael’s, Meadowridge, Collingwood, Southpoint, Relevant
もし、この中にあなたの学校があるのでしたら、外部評価を相当大切にしている学校ですので、English11までにかなりの能力を付けていないとEnglish12自体の履修もさせてもらえない可能性がありますね。
もし、留学生をたくさん集めているBodwell Schoolとかに在学中の場合は、少し状況が変わります。
English 12のProvincial Examの結果は上記私立高校とは15~20点ほども低いようですので(BC州の発表)、生徒への対応は異なると思います。
3.English12の好成績がないと、カナダの大学進学は出来ません。
これは決定的なことですので、可能性がないと思われるのなら帰国なさるのが賢明な選択肢だと思います。
4.日本からの留学生にとり、決して好意的とは言えない高校留学事情の中、2年間も頑張ったことは今後の人生に大きな経験として残りますよ。
誰にでもやり直しはあります。
そこから前に進めばいいだけですからね。
_______________________
現在も、かなりの日本人留学生から同じようなご相談を受けています。
(English12の前で立ち往生という方が多いです。)
詳細をご相談し、卒業までの見込みが立ちそうな方には、English合格に向けてのサポートも行っております。
ご希望の場合は直接ご連絡下さい。
Good luck!
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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