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国際会計基準、2010年3月期から任意適用へ

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雑感 会計と税法の乖離
28日16時27分ロイター記事は次のように報じた。

金融庁の企業会計審議会(金融庁長官の諮問機関)は28日、
日本企業に2010年3月期から国際会計基準の任意適用を認める
方針を了承した。
当初は選択制として、強制的に適用させる義務化については
2012年をめどにして是非を判断する。
金融庁が中間報告案として抽出した。
金融庁は、審議会の了承を受けて来週にも公開草案としてまとめ、
一般からの意見を2ヶ月程度募集した上で、今年の夏をめどに
正式な中間報告としてとりまとめる。

今夏めどの中間報告は、国際会計基準の導入に向けた
「行程表(ロードマップ)」と位置付けられる。
中間報告をもとに金融庁は年内に規制を改正し、
2010年3月期の決算に間に合わせる。
国際会計基準が反映される財務諸表の第1号は2010年6月ごろ
財務局に提出される。

中間報告案によると、国際会計基準の適用は連結財務諸表が対象。
任意適用を認める企業については、
1)上場企業、
2)国際会計基準の財務報告に適切な体制を整備、
3)国際会計基準の会計処理方法を有価証券報告書で開示、
4)国際的に活動する企業・一定規模以上の企業
などの条件で詳細を詰める。
また、強制適用の是非は2012年をめどに判断するが、
実際の適用時期は、「3年間の準備記間を確保」とするにとどめ、
今後の検討課題とした。

同日の審議会では、経済界の委員を中心に「強制適用の実施時期を
明確に示して国際会計基準に対する日本の姿勢を打ち出すべき」
との意見が相次いだ。
しかし、国際会計基準の設定主体の国際会計基準委員会財団
(IASCF)の国際監視体制が構築の途上にあるほか、
昨年11月の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)が
国際会計基準の見直しを要請するなど「国際動向で不透明な要素が
多い」との意見もあり、義務化の時期の明記は見送ることとした。

国際会計基準は、欧州連合(EU)やオーストラリアを含む
100カ国以上で導入され、グローバルな単一の会計基準としての
地位を築きつつある。
EUは2005年1月からEU域内の上場企業に適用を義務付けた。
また、米国は、2008年11月に国際会計基準の適用に関する
「ロードマップ案」を公表。
これによると、2010年以降の会計年度から一定の要件を満たす
企業について任意適用を認める。
さらに、2014年から義務化することの是非について、
2011年までに最終判断することとしている。




とうとう、国際会計基準(International Financial Reporting Standards,
IFRS。国際財務報告基準と訳すのが正式であるが、マスコミは
International Accounting Standard,IASの訳であった国際会計基準と
訳すことが一般的なので、ここでも国際会計基準と書きます)
という名の黒船が、日本本土に上陸することになるようです。

金融庁企業会計審議会企画調整部会1月28日会合提出資料には、
「わが国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)(案)」
が含まれている。

これによると、
「コンバージェンスの推進には、これまでの会計を巡る実務、
商慣習、取引先の関係、さらには会社法との関係及び税務問題など
調整を要する様々な問題が存在する。
こうした状況を踏まえ、今後のコンバージェンスを確実にするための
実務上の工夫として、連結財務諸表と個別財務諸表の関係を少し緩め、
連結財務諸表に係る会計基準については、情報提供機能の強化及び
国際的な比較可能性の向上の観点から、我が国固有の商慣習や
伝統的な会計実務に関連の深い個別財務諸表に先行して機動的に
改訂するやり方(いわゆる「連結先行」の考え方)で対応していく
ことが考えられる。」
と指摘されており、
まずは連結財務諸表のみ先行して国際会計基準を適用することと
されている。

ただ、中間報告案は、以下の3点の課題を指摘し、
拙速な国際的調和が許されないことも指摘する。

「1)IFRSはプリンシプル・ベースの会計基準であると
言われているため、作成者、投資者、監査人、当局の習熟や
体制整備が不可欠であり、十分な時間が必要であるとともに、
教育・研修をはじめ市場関係者に多くのコストが発生する。
また、作成者においては、会計マニュアルの作成や経理システム
変更を含めた体制整備が必要となる。

2)IFRSの基準としての内容及び今後の改定動向については、
十分な注視を行うとともに、我が国の商慣習や経営実態、会計実務を
踏まえつつ、国際的に受け入れられるような情報発信が不可欠である。
この点に関し、会計の国際的なコンバージェンスがIFRSを
軸に進展しているという現実を踏まえれば、むしろ我が国において
IFRSを適用する中で基準設定プロセスに対する存在感を
高めていくべきであるとの指摘が多く出されている。
また、昨今の金融危機に対する会計基準の取組に関し、IFRSの
内容及び基準設定プロセスについて金融安定化フォーラムなど
各種の場において様々な議論がなされているところであり、
今後、IFRSの基準内容やプロセスに対し我が国からの一層の
積極的な意見発信や貢献が必要である。

3)会計基準は財務報告の作成・監査・分析・監視の各段階を
通じた会計実務と相まって、投資者に信頼性の高い財務報告が
届けられてはじめてその役割が果たされることとなることに鑑みれば、
IFRS適用が真に財務報告の国際的な比較可能性の向上、
ひいては金融資本市場の機能向上につながるか否かは、実務の
コンバージェンスや執行面での国際的な協力にかかってくると
考えられるため、こうした実務・執行面での取組みが極めて重要である。」


官民一体となって実務的な取組が必要であることを指摘するのだ。




まさにその通りである。
理論的な整合性が取れていたとしても、実務に対する影響を
考慮しなければ、どんなに素晴らしい制度であっても、画餅と化す。

2010年に任意適用、2012年に強制適用というが、
その対象はどこまでになるのか。

2010年は、上場企業の連結財務諸表のみが対象であるから、
税理士が顧客層とする中小企業には当面は関係がない。



しかし、「中小会社の会計に関する基準」の内容を考えれば、
公認会計士は見ることが出来ても、一般の税理士
(企業会計基準審議会(ASBJ)非加盟)は見ることが
許されない規定が前提として基準が作成され、
その内容を一般の税理士が見ることが不可能
(少なくともASBJ非加盟私は確認することができていません)
な状態のまま、「中小会社の会計に関する基準」に準拠しているか
否かをチェックリストで確認を求められる現状が
健全なものと言えるはずがなかろう。

2010年任意適用が方針となれば、ASBJは国際会計基準を前提とした
各種の規定を次々と発表していくことは当然の帰結であり、
その規定を一般の税理士が見ることが出来ないことも、
容易に予測されるところである。

この現状を考えた上で、ASBJ及び金融庁には
行動を起こしてもらいたいものである。

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