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銀行との交渉を成功するための2冊

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雑感 書評
今日は、2冊、本を紹介します。

八木宏之「7000社を救ったプロの事業再生術」
(日本実業出版社、2008年11月)
篠崎啓嗣「社長さん!銀行員の言うことをハイハイ聞いてたら
あなたの会社、潰されますよ!」(すばる舎リンケージ、2008年12月)

どちらの本も事業再生を専門とされるコンサルタントが書いた本です。

金融機関との交渉に悩まれている社長さん、経理担当者には
是非一読頂きたい本ですね。

金融機関の方がどういう視点で融資を判断しているのか。
金融機関の職員の実態はどういうものであるのか。

私も専門ではない分野だけに、随分参考にさせて頂きました。



事業が軌道に乗っている、またはちょっと苦しくなってきたけれども、
この不況さえ乗り切れば・・・と考えている社長さんは、
縁のない話と思いがちな事業再生コンサルタントの本ですが、
彼らの示唆は、事業の本質を突いたものですね。

私はこのお二人とは違う会社の事業再生コンサルタントと
お話させて頂く機会が持たせて頂きましたが、
税理士が、中小企業のホームドクターであり続けるならば、
彼らの持つ視点、つまり、

金融機関と対等に渡り合うための努力

を惜しんではならないと感じています。



特に、篠崎氏の本のタイトルはかなり刺激的ですよね。
ただ、篠崎氏のタイトルも、実務的にはありうる話ですね。



大学時代の友人や後輩に金融機関の人間も多いのですが、
特に金融機関に就職する後輩たちに言ってきたことは、
「財務諸表のウラを読める銀行員になれ!」
ということでした。

会計は相対的なものであり、絶対的な処理基準が存在しません。
そのため、財務諸表が、会社のあるべき姿を
映さなくなることもあります。

かつて税理士試験委員を務められた先生の中には
貸借対照表ゴミ箱理論を打ち立てたこともありました。

学説的にはかつての考えを乗り越えられていらっしゃいますが、
取得原価主義全盛の時代には、損益計算を重視する余り、
貸借対照表が何の役にも立たないゴミ箱同然だった
時代もあったわけです。

現行の時価主義万能主義も、リーマンショックに端を発した
世界的な金融不況の原因ともなったわけで、
客観性のない時価が万能ではないことは明白であろう。



会計は解釈で動く部分が大きいのです。

だから、金融機関に就職する後輩たちには、
税理士が作ってきた財務諸表を鵜呑みにすることなく、
自社の基準を含めて、自分で判断できるようになりなさいと
要求してきたのです。

これを書いてしまうと、私が関与しているクライアントを担当する
銀行員に誤解されてしまう危険性もあるわけですが、
会計が「生きる経済」の1時点を切り出してきた結果を
解釈したものでしかないために、
制度上許される幅も大きいわけです。

あまり自由に動かせるようにしてしまうと、
外部の利害関係者(株主や債権者、従業員、顧客等)にも
その会社の業績が判断できなくなってしまうので、
期間比較の可能性を高めるために、
継続性の原則をはじめとする一般原則があるわけです。



変な話を書きましたが、

プロフェッショナルの仕事をしている事業再生コンサルタントの皆様は
金融機関の対応を頭に入れた上で、会社の実態を把握しています。

えてして事業再生コンサルタントが入ると税理士も変更になる
ケースが多いのですが、これは事業再生コンサルタントが
会社の実態を把握するための資料を、税理士が用意できないから、
というのが多いように感じています。

それだけ、ルーティンワークとして仕事をこなしている事務所が
多いという意味にもあるのかもしれませんが。

税理士は税務署の方を向いて仕事をしているとよく言われますが、
やはり、申告書の作成を念頭においているために、
税務申告上問題がないような処理をしようとする傾向はあると思います。

ただ、それは税務会計上の問題であって、
経営の実態を把握するためには、先週紹介した「課長の会計力」
もそう指摘するように、管理会計的な視点が必要になります。


事業再生コンサルタントがクライアントから案件を持ち込まれた時、
まず考えるのは、クライアントの収益獲得力でしょう。
それから社長、幹部スタッフの人柄。

収益力がなければ再生をお手伝いしても、一時凌ぎにしかなりませんし、
社長や幹部スタッフが頑張れないのであれば、一緒に頑張れません。

八木氏の本の60ページには、
再生スキームを立てる時の心得として
・やみくもに走れば自分の首を絞める
・すべてを守れば、すべてを失う
・数字は正直、人間はうそつき
・廃業も時には最良の選択肢

という4つの心得が記載してあります。

事業の実態を把握するためには、ヒアリングが効果的ですが、
データ化された数字に裏打ちされてはじめて根拠付けることができます。

その結果、何のために再生するのかを考えるから
時には、廃業を勧めることもあるでしょう。

また、55ページ以下では、再生を妨げる5つの要因として
・見栄とプライドを捨てきれない
・決断できない
・他力本願から抜け出せない
・自立していない
・感謝の気持ちを忘れている

という5つを指摘しているが、成功する事業者になるためには
この反対を実行することをオススメします。

つまり、
・余計な見栄やプライドを持たない
・決断するのは経営者の仕事
・マイナスを他人のせいにせず、自分で考え行動する
・自分の会社であることを自覚する
・感謝の気持ちや初心を忘れない

この5つの矜持を持って経営を実行すべきでしょう。



この不況の中、お客様からは、この不況は何とかならないのか、
という声をよく聞きます。

ただ、政治家が何とかしてくれるわけではなく、
我々の自発的な経済活動による以外、景気回復のための起爆剤はないのです。

不況のときだからこそ、創意工夫をして、知恵を絞って
生き残るために考えていかなければならないのです。

経営者の皆さん、一緒に考え、乗り越えていきましょう。

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