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日経記事;『トヨタとパナソニック、EV電池を共同生産 20年に新会社、開発も』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月20日付の日経新聞に、『トヨタとパナソニック、EV電池を共同生産 20年に新会社、開発も』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

本記事の冒頭部分は、以下の通りです。
『トヨタ自動車とパナソニックは2020年に共同で、電気自動車(EV)用など車載電池の新会社をつくる。パナソニックは米テスラ向けを除き車載電池の全工場を新会社に移す。電池は電動車の競争力を左右する中核技術だが、コストと規模で中韓勢の台頭が著しい。日本を代表する自動車メーカーと電機メーカーが手を組み、世界的な技術革新の競争をリードする体制を目指す。。。』
自動運転機能付EVの開発・実用化は、世界中の関連企業で本格化しており、2019年から2020年にかけて、実用的な自動車が順次市場に投入されていきます。

EVは、欧州や中国で、次世代環境自動車の本命とされており、トヨタなどの国内自動車メーカーは、今や、待ったなしでEVの開発・実用化を推し進める必要があります。

EVの性能を左右するのは、電池性能です。EVには、1回の充電で、ガソリンエンジン車並みに、500㎞走行できる実用性が求められます。

まだ、既存のEV向け電池で、この要求ラインを満たせるものは、市場に出ていません。

パナソニックは、EV用の電池供給メーカーとして、中国寧徳時代新能源科技(CATL)と世界シェアを分け合っています。

CATLは、中国政府が国策として支援を受けている強みをもっています。パナソニックが、世界市場で電池のトップメーカーとして走るためには、テスラモーターズだけでなく、強力なパートナーが必要でした。

一方、トヨタは、当初不本意ながらEVの開発・実用化を進めていました。これは、トヨタは、EVは次世代環境車の本命になるには、電池性能の制約から時間がかかるとみていたことによります。

また、トヨタは、水素燃料電池車を次世代環境自動車の本命とすべく、開発・実用化を進めてきました。

しかし、欧州や中国が、一気にEVの開発・実用化を決めて動き出したため、トヨタの事業環境は大きく変わりました。

トヨタは、同時に米グーグルが仕掛けています自動運転機能付EVで、激しい競争を行っています。

トヨタが、米グーグルとの競争に打ち勝つには、自社単独での事業展開ではなく、徹底的なオープンイノベーションを行う必要があります。

オープンイノベーションは、他社との連携・協業(アライアンス)を行うことになります。

オープンイノベーションは、勝者連合で行うのが基本です。今回のトヨタとパナソニックの連携・協業(アライアンス)は、自動車と電池の分野での勝者連合になることが、必要になります。

この勝者連合で、EVやHVに最適な電池を、開発資金を抑えつつ、効率良く開発・実用化を行えるかどうかがポイントになります。

トヨタ自身は、リチウムイオン電池の次世代電池と言われている全固体電池の開発・実用化を積極的に行っています。

パナソニックは、EV分野でトヨタの競争相手であるテスラモーターズに電池を供給しています。

トヨタとパナソニックは、両社各々の思惑をもって、今回の連携・協業(アライアンス)を行うやり方になります。

両社が今後、この連携・協業(アライアンス)から、EVおよび電池の各事業で世界市場の勝ち組になるための施策の実行について注目していきます。

この両社の動き方は、中小企業が他社との連携・協業(アライアンス)を行う上で、参考になることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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