遺伝子レベルで向かない人もいるらしい「朝型勤務」 - 組織改善・風土改革 - 専門家プロファイル

ユニティ・サポート 代表
東京都
経営コンサルタント
03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

注目の専門家コラムランキングRSS

対象:人事労務・組織

専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

遺伝子レベルで向かない人もいるらしい「朝型勤務」

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 人事労務・組織
  3. 組織改善・風土改革
社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集 現場の事例・私の体験

 ここ数年、勤務開始時間を1~2時間早めて残業時間を抑制し、夕刻からは趣味など自分の時間に使えるようにと「朝型勤務」の取り組みをする企業が増えています。

 長時間労働や残業過多の解決策の一つとして位置づけられており、国家公務員でも「ゆう活」と称したキャンペーンで、「朝型勤務」を率先しようとしています。

 

 私自身は、朝型の方が仕事の能率が良いという感覚は理解できるので、「朝型勤務」には基本的に賛成していますが、この「朝型勤務」には、遺伝子レベルで適応できない人がいるという話があります。

 

 様々な研究結果を調べてみると、朝型人間になるか夜型人間になるかは、遺伝子レベルであらかじめ決まっていることが分かっているそうです。

 大昔の人類は、集団生活する上では、仲間が寝ている間に起きている人がいることで、外敵から身を守ることができました。朝型と夜型の両方の人間がいることが好都合だったのです。

 

 しかし、現代の社会生活では、例えば仕事であれば、朝9時から夕方5時までの決められた時間帯が当たり前となっています。朝型でも夜型でも、同じリズムを求められている訳ですが、実はこの時間帯であっても、一部の夜型人間にとっては、頭の働きが鈍った状態に陥ることがあり、近年は「ソーシャルジェットラグ(社会的時差ボケ)」と呼ばれて問題視されているとのことです。

 

 朝型人間と夜型人間では、脳の質自体も違っていて、朝型の方が、感情を安定させ気分をよくするセロトニンやドーパミンなどのホルモンが通る神経経路が多いことが分かっているそうです。

 逆に、夜型人間は、創造性や認知能力が高い傾向にあり、また冒険心が旺盛なことが分かっていて、危機的状況への反応がすばやいとのことです。

 

 また、朝型人間は起きてすぐに行動できるかわりに、夜型人間に比べると早く疲れてしまうことも分かっていて、朝型人間と夜型人間は、起きてから1時間後の反射速度はほぼ同じですが、10時間後になると、夜型人間の方が高いそうです。

 

 研究者によると、体内時計にはDNAから作られる多様なタンパク質が作用しており、遺伝子コードのわずかな違いが、朝起きる時間に影響を与えているとのことでした。

 

 朝寝坊は怠け者に思われたり、夜更かしは体によくない、成功者は早起き、午前の方が効率的に仕事ができる、等々、いかにも“朝型人間が望ましい”という話が多々語られます。

 しかし、人による特性の違いが、このような遺伝子レベルであるとすると、「朝型勤務」へのシフトは、今まで以上に適応できない人が増える可能性があります。もしかすると、総合的な生産性が下がってしまうかもしれません。

 「朝型勤務」のような個人の生活リズムにかかわる話は、その人の特性によって、もう少し柔軟に考える必要がありそうです。

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(東京都 / 経営コンサルタント)
ユニティ・サポート 代表

組織に合ったモチベーション対策と現場力は、業績向上の鍵です。

組織が持っているムードは、社風、一体感など感覚的に表現されますが、その全ては人の気持ちに関わる事で、業績を左右する経営課題といえます。この視点から貴社の制度、採用、育成など人事の課題解決を専門的に支援し、強い組織作りと業績向上に貢献します。

03-4590-2921
※お電話の際は「"プロファイル"を見た」とお伝え下さい。

カテゴリ 「社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集」のコラム

カテゴリ このコラムに関連するサービス

対面相談 【無料】250名以下の企業限定:社員ヒアリングによる組織診断

中小法人限定で当事者には気づきづらい組織課題を社員ヒアリングで診断。自社の組織改善に活かして下さい。

料金
無料

組織の課題は、当事者しかわからない事とともに、当事者であるために気づきづらい事があります。これまでの組織コンサルティングで、様々な組織課題とその改善プロセスにかかわった経験から、貴社社員へのヒアリング調査によって組織課題を明らかにし、その原因分析や対策をアドバイスします。予算がない、依頼先を見つけられないなど、社外への依頼が難しい中小法人限定です。社員ヒアリングのみで行う簡易診断になります。

【無料】250名以下の企業限定:社員ヒアリングによる組織診断

このコラムに類似したコラム

今も見かける「残業がしたい社員」「長時間労働が苦でない社員」 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2022/02/17 07:00)

「彼は休まないで頑張っている」という評価に思うこと 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2021/11/25 07:00)

「日本人は家に帰りたい気持ちが低い」という話で思い当たったこと 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2021/06/15 07:00)

いろいろ似ている“過重労働防止の議論”と“野球の登板制限の話” 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2018/11/20 07:44)

日本人に多い「残業が美徳」の潜在意識を変えるには 小笠原 隆夫 - 経営コンサルタント(2016/01/12 08:00)