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消費税増税、条件に幅?

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税制改正 平成21年度税制改正
asahi.com 22日10時53分記事は以下のように報じている。

政府は22日、消費増税への道筋を示す09年度税制改正関連法案の
付則案を自民党財務金融部会に提示し、同部会と党政務調査会は
これを了承した。
「11年度までに必要な法制上の措置を講ずる」とする一方、
党内の増税反対派に配慮し、実際の税率引き上げ時期は
景気動向などを見極めて別の法律で定める「2段階方式」を採用。
政府が年末に閣議決定した税制改革の中期プログラムに比べ、
消費増税への道筋は不透明となった。

法案の衆院採決で造反も辞さない構えだった中川秀直元幹事長ら
増税反対派も政府案を容認し、09年度予算案と関連法案をめぐる
「消費税政局」は回避される方向となった。
法案は23日に自民党総務会で了承され、同日中に閣議決定される
見通しだ。

付則案は「11年度からの消費増税」の明記にこだわる麻生首相の
意向を踏まえ、「消費税を含む税制の抜本的な改革を行うため、
11年度までに必要な法制上の措置を講ずるものとする」と記した。

一方、増税の実施時期の法制化については「景気回復過程の状況、
国際経済の動向などを見極め、予期せざる経済変動にも柔軟に
対応できる仕組みとする」と条件をつけ、景気回復が実現しなければ
11年度には増税しないという姿勢をはっきりさせた。

中期プログラムには経済好転の判断基準として「潜在成長力の発揮」
が盛り込まれていたが、中川氏らの反発をうけ、この部分の記述は
見送られた。
さらに、増税前に行政改革を断行すべきだとする中堅・若手の
意見を採り入れ、「不断に行政改革を推進」「歳出の無駄の排除を
徹底」などの言葉が盛り込まれた。


昨年末の経済財政諮問会議に提出された政府試算が、
2011年から毎年1%ずつ消費税率を引き上げ、消費税率が10%
になることを前提に試算されていたことに端を発する
今回の消費税増税騒動。

これは、財政に明るい方ではない麻生首相の指示を利用して、
悲願となりつつある消費税増税を実現しようとした財務省の暴走が
招いた事態のように感じている。

年末の経済財政諮問会議まで、消費税増税の議論をしていなかったにも
かかわらず、消費税率アップの幅や時期に複数のシナリオを用意せず、
まず増税ありきの印象を持たせてしまったことは大きな問題であろう。

これでは納税者が納得するはずがない。

政権政党としての矜持といわれても、増税するためには、
それ相応に合理的な理由と試算が事前に示され、十分な検討をし、
小泉改革路線から引き継いできた行政改革の断行を優先した上で、
それでも財政再建のためには、増税(消費税にこだわらない)が
必要だという、合理的な説明がなされていれば、
しぶしぶであっても、納得できよう。

しかし、今回の騒動は消費税に関して突然示されてだけではなく、
シナリオさえ消費増税が前提で設定されている。

これでは、議論の余地がないではないか。
それとも、経済財政諮問会議は儀礼的な組織とでもいうのか。

議論するためであれば、複数のシナリオと複数の試算が当然である。

政治主導できちんと官僚を使いこなさないと、こういう暴走が起きる。

中川さんや塩崎さんのような財政通に反発されて、
はじめてちゃんと議論をした、というのが本音のところではないのか。

1月6日の平成21年度第1回経済財政諮問会議では、
この点の議論は全くなく、
1月16日の平成21年度第2回経済財政諮問会議では、
消費税に関して6つのシナリオを提示してきた。

1 消費税率を据え置き
2 2011年度から2013年度にかけて3%引上げ
3 2011年度から2015年度にかけて5%引上げ
4 2011年度から2017年度にかけて7%引上げ
5 2013年度から2015年度にかけて5%引上げ(2013年度に3%引上げ)
6 2015年度に5%引上げ

の6つのシナリオである。

この6つの消費税改正のシナリオを元に、
経済回復の3つのシナリオ(順調回復、急回復、横ばい)で
財政再建シュミレーションを試算してきたのである。

なぜ最初からこうできないのか。

議論をするためには、あらゆる可能性を変数として意識しながら、
検討しなければ、今のような激動の時代は読み得ない。

今回、麻生さんが2011年度に消費税を上げる方針を変更して、
時期を明確にしなかったのは、当然のことであろう。

麻生さんが政権政党としての矜持として増税に言及したときに
どう言っていたのか、思い起こすべきであろう。

麻生さんは、経済回復後の増税に言及していたのであって、
その具体的な方策は、年末の経済財政諮問会議まで
出していなかったですね。

だから、2011年度に増税すると明言しなかったことは
「ブレた」ことには決してならないと思う。

それに消費税法自体の問題もある。

国士舘法学38号に書いた「青色申告の帳簿要件」でも
一部触れましたが、
消費税の計算構造上、仕入税額控除を行う必要がありますが、
母法であるフランスとは異なり、商法上の帳簿規定がないに等しい
わが国では、インボイス方式を導入することは商法を改正しない限り
不可能であり、消費税法だけが厳格すぎるくらいの帳簿要件を
保持していることになっています。

所得税法・法人税法では簡易帳簿で税制上の特典として青色申告を
認めながら、消費税法では、領収書・請求書等に相手先が明確に
なるほどの判然性を備えていなければ、仕入税額控除を認めないと
言うのである。

また、今後の消費税率アップ局面では想定されるであろう
複数税率を導入するためには、わが国商法上の帳簿規定では
対処できないことは明白である。
これは商法上の義務としてインボイスを法制化しない限り
複数税率導入は、中小事業者の事務負担が過度に重くなるだけである。

かりにそうなったとすれば、顧問料の増額をお願いし、
その分でスタッフの増員をしなければ、
その事務負担に対処できるわけがない。

インボイスが法制化されていないために、
帳簿書類の精査が要求されるからである。
また、そこまでやらなければ、
税理士の専門家責任が解除されない可能性が高いのである。

財政学上の問題としては、景気に左右されやすい所得課税中心主義から
景気に左右されにくい消費課税へとシフトしていくのは必然かもしれない。

しかし、わが国が法治国家である以上、法律にどのように落とし込むのか、
そして、事務処理をする現場の負担がどれほどになるのか、
そこまで議論してはじめて、十分な議論を尽くしたと言えるのではなかろうか。

安易な考えの官僚たちには頭を冷やしてもらいたいものである。

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