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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月18日更新

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日本人留学生はカナダの法律に従い、日本に来たカナダ人は日本の法律に文句を言う。

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カナダのニュースCBCでこんなの見つけました。

日本の法律は古臭くて人権無視だと、 日本からカナダの政府やニュースメデイアに言いつけたカナダ人の話です。

 

名前はTim。

44歳になるこのカナダ人は何年も前に日本にやって来ました。

カナダの東側オンタリオ州から、はるばると。

そして、日本女性と結婚。 あら。

1児をもうけましたが、離婚。

 

子供の親権は母親に。

このカナダ人は子供と会うこともままならず、家庭裁判所に訴え出るも、日本の法律に阻まれ思うように行かなかったそうです。

弁護士に相談しても、うまくいかず、家裁の決定で24時間監視付き面会権を勝ち得ても、その時すでに元妻は子供を遠くの町まで連れて行ってしまっていた、など、なんちゃら、かんちゃら。

遠い町でもどこでも、子供に会えるなら行けばいいのにと、ね。

 

その後、在日本カナダ領事館に泣きついて、少しだけ慰めてもらったり。

カナダ政府に陳情し、日本の法律に文句を言ったり。

最後には、カナダの最大メデイアCBCに助けを求めたことが、今回のニュースで紹介されている話です。

 

ふむふむ。

何しに日本に来たのでしょうか。

日本の法律はカナダとは異なることを知らなかったのでしょうか?

それとも、白人カナダ人は特別扱いでもされると思ったのでしょうか?

 

離婚したのが2012年だそうで、その時子供はすでに小学生。

ということは大体2000年〜2004年くらいに日本に来たのかも。

もうすぐ2019年。

そんな長い間、日本の法律に文句をつけながらそのまま滞在?

写真では、えらく風采の上がらない人ですが、一体何をしている人なのか、少々不気味です。

 

Timの泣きながらの訴えに応え、領事館は「日本政府に文句は言い続けるが、カナダ領事館の権限には限りがある。」と。 文句は言うんですね。

カナダ政府は、この件を「子供拉致事件」と呼んでいます。

他にも24件、日本で文句を言っているカナダ人がいるようで、離婚に伴い親権を失い、子供と会うこともままならない状況を「子供拉致」と定義しています。

 

次にCBCに泣きついたTimの話が全国ニュースになりました。

CBCは、元妻の弁護士に接触も試みましたが、無視されたとか。

 

この記事の結論として、「日本の法制度は遅れており、人権を無視している。」だそうです。

「かわいそうな」TImがなぜか小学校の前で佇む写真は、カナダ人の同情を惹くのでしょうか。


 

確かに、日本の婚姻や親権に関する法律は、女性への不平等も目立ち、時代遅れの内容もかなり含まれると思います。

それはそれ。

None of your business.

 

外国から自分の意志でやって来て、自分の意志で結婚し、自分の意志で離婚したカナダ人に文句はつけられたくはありませんね。

 

特に、ここカナダで、日本人高校留学生を受け入れる教育委員会が独善的に決めた規則が、日本からやって来る未成年に適用されてしまう現実と比べると。

自分の意志でわざわざカナダまでやって来て、自分の意志でべらぼうに高い授業料を払い、自分の意志でビザを申請し、自分の意志でカナダの法律に従うと宣誓した日本人留学生たちに、大した権利はありません。

 

文句はご法度。

学校で何年ESLに留め置かれようと、ホームステイでどんな扱いを受けようと、人種差別の対象になろうと、日本人留学生には権利はありません。

 

1998年、カナダ政府に日本人高校留学生の権利について問いただしたことがあります。

受入教育委員会の余りの横暴に、堪忍袋の尾が切れたからです。

まともなルートでは無理なので、オンブズマンを巻き込んでの大立ち回りでした。

 

結局、当時のBC州政府からの正式な回答は:

「カナダは、学生ビザでカナダに滞在する日本人留学生を守る義務はありません。 各教育委員会との契約は、金銭の受け渡しを伴うビジネス契約であり、政府が関与するものではありません。 ホームステイの場においても、賃貸契約でのテナントのような権利は留学生にはありません。 すべて個人の責任です。」

 

勝手に来たんだから、文句は言わないこと、ですね。

 

でも、日本の法律にカナダ人が文句を言うのはありなんですね。

 

余談ですが、このTimが日本に来たであろう同じ頃、日本でカナダ人を数名雇っていました。

そのうちの一人、カナダ人女性がこう宣言しました。

「日本の法律は意味がない馬鹿げたものが多い。私は日本人ではないので、自分の信念で行動する。」と。

もちろん、うちの会社にはそんな人はいりませんので、辞めてもらいました。

 

それから数年後、突然新潟県の警察から電話が。

「〜〜というカナダ人を知っていますか? 実は身元請け人を探しているのですが。」

はるばる新潟県まで行って、交通違反を繰り返したんだそうです。

日本の交通規則は意味がない馬鹿げたものだから、従わなかったんでしょうね。

はいはい。

 

カナダにいる高校留学生のみなさん、そして親のみなさん、Timみたいに政府やメデイアを巻き込んで文句を言ってみましょうか。

どうなるか、非常に興味深いです。

 

 

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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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