自分で自分をプロと認められるようになった瞬間

　皆さん、ごきげんよう。

「Fascination」ファッションコンサルタントの藤原純子です。

　のめり込めばのめり込むほど、不思議とレッスンが物足らなくなってきたのです。1期生だったので、授業もまだ手探りな部分が多く、卒業が近づくにつれ「これではまだまだプロと呼べない、ダメだ」と。そこで私が考えたのは、「１００人のカラー診断を勉強のためにさせていただく！」

　パーソナルカラーの基本は、スプリング、サマー、オータム、ウィンターと4つのタイプですが、100人いれば１００通りのはず。その実績をもとに検証して自信をつけていこうと考えたのです。「何でお金を取らないの？」という反対意見もありました。だけど私は、自信と誇りを持ってこの仕事をやっていきたいからこそ、中途半端な状態でお金をいただくことに抵抗があったのです。今思えばこの決断は間違っていなかったと思います。右も左もわからないカラーの世界だったけれど、私は私の信じる道を歩いてきました。そして今、胸を張って言えます。その都度試行錯誤しながらやってきた経験が私に自信を持たせてくれました。何事もやってみなければはじまらない・。無難にやっていてはおもしろみも楽しさも欠ける、自分の人生は自分で決められるのだから。

　100人診断にトライする私に、師匠はこう言ってくれました。「100人を診ることは簡単。100人もさせていただくことの方が難しいのよ。だって、100人に人に出会わなければ叶わないってことだから！あなたならやれるわ、がんばって」。

　その言葉を励みに私はがんばりました。そして自分の中で確信が持てたので、カラーアナリストとしてデビューすることに。仕事が❝志❞事に変わっていく瞬間でした。

　従業員から個人事業主へ。やりがいは感じつつも未知の世界で最初は手探りでした。不安はありましたが、持ち前の「やるしかない」精神で覚悟だけは誰にも負けません。最初から予約が入ることはありませんでしたが、そんなことは想定内！めげず、地道に伝えていくことでポツポツと口コミから予約が増え始めました。口コミっていちばん強いと今でも思います。目の前のお客様に全身全霊で向き合い、喜んでいただけることを考えているときはには一切の邪念がないのです。それは銀行員時代から変わりません。少しずつだけどカラー診断での評価もいただけるようになり、だんだんと分かってきたことがありました。

　それは、「外見は大事。そこを磨くことで自信がつき、内面も変わっていくから。だけど、私が伝えていきたいのは外見だけではない。内面・外面・精神面の三本柱だ」ということ。そのことに気づいて以来、カラーの仕事をしながら、コーチング、マナー、メイクと新たに学びはじめたのです。お客様のお役に立つためには何が必要かと考えたときに見えてきた、それらの学びが私を次のステージに上げてくれました。誰もが自分の中に持っている答え、それを引き出すのがコーチングの役目であり、自分の中の先入観を外すのに役立ってくれたのが心理学など、知識や経験をアドバイスに変えていくときにどういったアプロ―チで伝えたらよいか、その幅を増やしてくれました。私自身も心理学やコーチングを学ぶにつれて、「決めつけやルールが多いと疲れるなー」と自由な考えになり、「着たいものはどんどん着て、好きなもので自分を素敵に見せていこう」という知識だけではないコンサルティングができるようになってきたのです。

　今の私は、こうした道のりを経て、だんだんとできあがってきたのだと振り返って実感します。