KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか(4)(第1回) - 企業法務全般 - 専門家プロファイル

河野 英仁
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KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか(4)(第1回)

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KSR最高裁判決後自明性の判断は変わったか?(4)(第1回)
〜阻害要因(Teach Away)があれば自明でない〜  
河野特許事務所
米国特許判例紹介
Andersen Corp.,
Plaintiff-Appellant,
v.
Pella Corp. et al.,
Defendant-Appellee.
                       
                       2009年1月16日 弁理士 河野 英仁
                
 
1.概要
 KSR最高裁判決においては、TSMテストを前提とする厳格ルールから、一般常識を含め技術分野において公知の事項及び先行特許で言及されたあらゆる必要性または問題もが、組み合わせのための根拠となるフレキシブルアプローチへと自明性の判断が変更された。

 最高裁は、二つの構成要件の組み合わせに関し、一方の構成要件が「設計の動機または他の市場圧力を受けて、努力傾注分野における公知の作業により派生したものにすぎない場合」は、自明であると判示した。

 その一方で、最高裁は二つの構成要件を組み合わせることに技術的な阻害要因(Teach Away)がある場合、自明でないと判示している。

 本事件は、KSR最高裁判決後、阻害要因が存在するか否かを議論した重要な判決である。地裁は一般常識に過ぎず、また、単なる組み合わせに過ぎないと判断した。CAFCは、原告が主張した技術分野の相違、阻害要因及び2次的考察に基づき、組み合わせは自明でないと結論づけた。 (第2回につづく)